統合失調症の再発リスク評価のための新規自己報告スクリーニングツール 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/01/08 統合失調症患者の再発評価(RASP:Relapse Assessment for Schizophrenia Patient)は、患者の安定性を評価し、切迫した再発を予測するために、不安と社会的隔離の指標を測定する6つの自己報告スクリーナーとして開発された。米国・UT HealthのDawn Velligan氏らは、RASPの開発と心理測定の特徴について報告した。Clinical schizophrenia & related psychoses誌オンライン版2017年11月22日号の報告。 対象患者166例に対し、RASPおよびPANSSによる評価を、それぞれ3度実施した。チャートデータは、患者81例のサブサンプルで収集した。RASPの心理測定分析には、信頼性、構成の妥当性、項目の併用妥当性のテストを含んだ。RASPの因子は、PANSSのサブスケールと相関していた(変化に対する感受性と基準妥当性[RASPと再発エビデンスとの一致])。 主な結果は以下のとおり。 ・試験‐再試験信頼度は、項目レベルでは妥当なものであり、アンケートレベルでは強く一致した。 ・RASPは、全体の測定および2つのサブスケールそれぞれにおいて(不安と社会的隔離の増加)、良好な項目応答曲線および内部一貫性を示した。 ・RASP総スコアおよびサブスケールは、PANSS総スコアおよび陽性症状、興奮、不安のサブスケールと相関する際、良好な併用妥当性を示した。 ・RASPは、良好な特異性、陰性症状予測力、許容可能な陽性症状の予測力、感度を有する症例の67%において、再発を正確に予測した。 著者らは「この信頼性と妥当性のデータは、RASPの使用をサポートしており、統合失調症患者の再発リスクの簡単な自己報告評価を追加することが有益な可能性がある。使いやすく、スコアリングが容易で、臨床医なしで実施できる点は、ルーチンでの管理と再発リスク評価を可能とする」としている。 ■関連記事 統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Velligan D, et al. Clin Schizophr Relat Psychoses. 2017 Nov 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者の不安症状はしばしば軽視されている 医療一般(2015/12/01) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)