リアルワールドデータにおける治療抵抗性うつ病 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/01/18 抗うつ薬に反応しないうつ病を、治療抵抗性うつ病(TRD:treatment-resistant depression)という。TRDの定義には、治療反応、治療用量、治療期間の評価が含まれるが、これらの定義を医療保険データベースで実施することは困難である。米国・ヤンセン・リサーチ&ディベロップメントのM. Soledad Cepeda氏らは、データ駆動型TRD定義を構築し、その性能を評価した。Depression and anxiety誌オンライン版2017年12月15日号の報告。 対象は、1剤以上の抗うつ薬を使用し、躁病および認知症または精神病の診断がない成人のうつ病患者で、TRDのプロキシ(電気けいれん療法、深部脳刺激療法、迷走神経刺激療法)の有無にかかわらず層別化した。ランダムに選択された来院日のデータがない対象者がいるため、TRDのプロキシを有する対象者のインデックス日は施術日とした。使用したデータベースは3つであった。決定木(decision tree)による予測モデルに合致させた。インデックス日より3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月前の、適切な治療用量および治療期間にかかわらない抗うつ薬の数、抗精神病薬および心理療法の数、専門家ベースの定義が含まれた。性能を評価するため、曲線下面積(AUC)および輸送性(transportability)を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・TRDのプロキシがない3万3,336例と、TRDのプロキシがある3,566例を分析した。 ・抗うつ薬および抗精神病薬の数は、すべての期間において選択された。 ・最も優れたモデルは12ヵ月時点で、AUC=0.81であった。 ・このルールを適用すると、前の年に抗精神病薬1剤以上または抗うつ薬3剤以上を使用の成人うつ病患者がTRDであり、治療対象者の15.8%がTRDであった。 著者らは「TRDかどうかの最も良い区分の定義は、前の年での異なる抗うつ薬3剤以上または抗精神病薬1剤以上の使用とみなされる」としている。 ■関連記事 SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大 治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs. 抗精神病薬増強 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cepeda MS, et al. Depress Anxiety. 2017 Dec 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)