抗精神病薬誘発性体重増加に対するトピラマート治療のメタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/30 抗精神病薬治療を行っている統合失調症患者において、体重増加は最も困難な問題の1つである。体重減少に関するトピラマートの有効性を検証するため、いくつかのメタ解析が行われているが、方法論的な問題があり、結果は確立されていない。台湾・台北医学大学のKah Kheng Goh氏らは、統合失調症患者の体重減少に対するトピラマート使用に関するランダム化比較試験のメタ解析を行った。International journal of psychiatry in clinical practice誌オンライン版2018年3月20日号の報告。 二重盲検ランダム化プラセボ対照試験10件、オープンラベルランダム化比較試験7件より、合計905例の統合失調症患者が抽出された。 主な結果は以下のとおり。 ・トピラマート治療を行った患者には、大幅な体重の減少およびBMIの低下がみられた。 ・過体重人口の割合が低い国の患者では、BMIの低下がより有意であった。 ・体重変化の報告において、最も効果的であると報告された研究は、中東および南アジアでの研究であった。次いで、東アジア、欧州、米国であった。 ・トピラマート群は、対照群と比較し、精神病理学的症状の改善が有意に優れていた。 ・全体的な副作用に関しては、両群間で差は認められなかった。 著者らは「抗精神病薬治療を行っている統合失調症患者において、トピラマートは、体重増加および精神症状の軽減に対し、対照群よりも有意に優れていた。今後、トピラマート増強の効果については、厳密な方法論および徹底した評価を用いた、より大規模かつ正確な研究調査が求められる」としている。 ■関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Goh KK, et al. Int J Psychiatry Clin Pract. 2018 Mar 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 完璧なHIV感染予防法にアクセスできるのは?(解説:岡慎一氏)(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)