赤身肉や加工肉の摂取、悪性黒色腫発症のリスクを低下?

提供元:ケアネット

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公開日:2018/05/23

 

 赤身肉および加工肉の摂取は、がんのリスク増加に関与していることが知られているが、悪性黒色腫との関連については結論が得られていない。米国・ハーバード公衆衛生大学院のHsi Yen氏らが、2つの前向きコホート研究、Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)を使用した調査と解析の結果、赤身肉および加工肉を多く摂取することは悪性黒色腫の発症リスクを低下させる可能性があると報告した。ただし結果について著者は、「この2つのコホート研究の対象者は白人の医療従事者に限られているので、今回の結果は一般化可能性に限界があるかもしれない」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。

 研究グループは、赤身肉および加工肉の摂取と悪性黒色腫のリスクについて検討する目的で、1984~2010年にNHSに参加した女性7万5,263例と、1986~2010年にHPFSに参加した男性4万8,523例を対象に、食物摂取頻度調査票(FFQ)で評価した。
 悪性黒色腫の診断を診療記録から確認し、赤身肉および加工肉の摂取と悪性黒色腫との関連について、COX比例ハザードモデルを用いて多変量ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中に、悪性黒色腫として女性679例、男性639例が記録された。
・赤身肉および加工肉の摂取量と、悪性黒色腫リスクとの間に、逆相関が認められた(傾向のp=0.002)。
・2つのコホート研究を合わせた悪性黒色腫のハザード比は、赤身肉および加工肉の摂取量を五分位群に分けた第1五分位(基準)に対し、第2五分位1.00(95%CI:0.87~1.14)、第3五分位0.98(95%CI:0.86~1.13)、第4五分位0.89(95%CI:0.77~1.02)、第5五分位0.81(95%CI:0.70~0.95)であった。

(ケアネット)