男性の飲酒とうつ病との関係 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/09 一般集団における男性のうつ病と飲酒の縦断的な相互関係について、韓国・中央大学校のSoo Bi Lee氏らが、調査を行った。Alcohol and alcoholism誌2018年9月1日号の報告。 対象は、2011~14年のKorean Welfare Panelより抽出した20~65歳の成人男性2,511例。アルコール使用障害特定テスト韓国版(AUDIT-K)スコアに基づき、対照群2,191例(AUDIT-K:12点未満)、飲酒問題群320例(AUDIT-K:12点以上)に分類した。時間経過とともに連続測定された飲酒問題とうつ病との相互関係を調査するため、自己回帰的なcross-laggedモデル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・飲酒とうつ病との関係は、時間経過とともに安定していた。 ・対照群では、飲酒問題とうつ病との間に有意な因果関係は認められなかったが、飲酒問題群では、前年の飲酒が2、3、4年後のうつ病に有意な影響を及ぼしていた。 著者らは「飲酒問題群では、対照群と比較し、うつ病と飲酒の4年間に及ぶ相互の因果関係が認められた。通常の飲酒では、縦断的なうつ病と飲酒との相互関係は認められなかったが、飲酒問題群では、飲酒は時間経過とともにうつ病を増強させた。飲酒問題はうつ病発症のリスク因子であり、一般集団におけるアルコール使用の問題や抑うつ症状を有する患者のアルコール使用歴には、より注意すべきである」としている。 ■関連記事 うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査より アルコール以外の飲料摂取とうつ病リスク アルコール摂取量削減のためのサービングサイズ変更効果 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lee SB, et al. Alcohol Alcohol. 2018;53:597-602. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術前療法後に残存病変を有するHER2+早期乳がん、T-DXd vs.T-DM1(DESTINY-Breast05)/NEJM(2025/12/18) 経口orforglipron、2型糖尿病の肥満にも有効/Lancet(2025/12/18) パラチフスAに対するワクチンの安全性、有効性と免疫原性(解説:寺田教彦氏)(2025/12/18) 片頭痛の急性期治療・発症抑制に適応の経口薬「ナルティークOD錠 75mg」発売/ファイザー(2025/12/18) 慢性鼻副鼻腔炎の手術後の再発を防ぐ留置ステントへの期待/メドトロニック(2025/12/18) 週1回のチーズ摂取で日本人高齢者の認知症リスクが低下(2025/12/18) 百日咳より軽症とは限らない?パラ百日咳の臨床転帰(2025/12/18) 歯の根管治療は心臓の健康にも有益(2025/12/18) [ あわせて読みたい ] EGFR-TKI耐性肺がん患者の遺伝子変異検査、治療の実態:前向き観察研究REMEDY 第18回【肺がんインタビュー】(2018/09/12) 何もかも前代未聞な本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第9回(2018/09/14) Dr.小松のとことん病歴ゼミ (2018/09/07) 買わないほうが“御法度”な医学書【Dr.倉原の“俺の本棚”】第8回(2018/08/15) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3(2018/08/07) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2(2018/08/07) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1(2018/07/25)