セリチニブ、用法・用量変更で奏効率と安全性が向上/ノバルティス

提供元:ケアネット

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公開日:2019/02/26

 

 ノバルティス ファーマ株式会社は、2019年2月21日、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬セリチニブ(商品名:ジカディア)について、用法・用量を「450mg、1日1回食後投与」に変更するための製造販売承認事項一部変更承認を取得した。

 セリチニブの用法・用量は、これまで「750mg、1日1回空腹時投与」であったが、主な副作用である悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状が、治療継続の課題となっていた。今回、用法・用量が「450mg、1日1回食後投与」に変更されたことで、このような消化器症状の低減が期待される。

 今回の承認は、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がん患者267例が参加したASCEND-8試験の結果に基づいている。独立中央画像評価機関の判定による奏効率は、450mg食後投与群で78.0%(95%CI:62.4~89.4)、750mg空腹時投与群で70.0%(95%CI:53.5~83.)であった。

 450mg食後投与89例中74例(83.1%)で認められた主な副作用は、下痢(50.6%)、悪心(34.8%)、ALT(GPT)増加(32.6%)、AST(GOT)増加(25.8%)、γ-GTP増加 (25.8%)、嘔吐(24.7%)等であった。750mg空腹時投与90例中82例(91.1%)で認められた主な副作用は、下痢(70.0%)、嘔吐(46.7%)、悪心(45.6%)、ALT(GPT)増加(30.0%) AST(GOT)増加(27.8%)、腹痛(22.2%)、疲労(20.0%)等であった。

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(ケアネット 細田 雅之)