治療抵抗性うつ病患者の脱落予測因子と臨床的影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/05/07 第2選択薬治療による臨床試験より脱落した治療抵抗性うつ病患者について、イタリア・ボローニャ大学のPaolo Olgiati氏らが、調査を行った。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2019年4月2日号の報告。 対象は、第1選択薬で奏効が見られず、ベンラファキシンの6週間治療に移行したうつ病外来患者342例。社会人口統計学的および臨床的特徴を、脱落群と非脱落群で比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・脱落群65例(19%)のうち、30例(46%)は4週間以内に脱落していた。 ・脱落患者の特徴は、うつ病エピソード期間の長さ(p=0.011)、抗うつ薬の低用量投与(p<0.0001)、うつ症状の急激な減少(2週間)の結果(p=0.028)であった。 ・しかし、早期改善で制御したところ、脱落群は、抗うつ薬治療反応の可能性の低さと関連が認められた(オッズ比[OR]=0.16~0.83)。 ・14日目におけるMADRSスコア30%以上減少は、その後の脱落を高い特異度(81.9%・1.0%)で予測したが、臨床使用の低感度(19.6%・2.8%)を示した。 著者らは「長期間うつ病に罹患しており、抗うつ薬変更直後に症状が改善した患者では、脱落リスクが高くなる可能性がある。脱落を予測するためのこれらの特性の有用性を確認するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。 ■関連記事 治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究 治療抵抗性うつ病に対する増強療法~メタ解析 治療抵抗性うつ病と自殺率 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Olgiati P, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2019 Apr 2. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] COPDの3剤配合薬、定量噴霧吸入器vs.ドライパウダー吸入器/BMJ(2025/01/22) 日本における片頭痛診療の現状、今求められることとは(2025/01/22) 乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響(2025/01/22) 自己主導型のCBTはアトピー性皮膚炎の症状軽減に有効(2025/01/22) コーヒーやお茶の摂取は頭頸部がんのリスクを下げる?(2025/01/22) 高齢患者の抗菌薬使用は認知機能に影響するか(2025/01/22) 出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連(2025/01/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)