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治療抵抗性うつ病に対する増強療法~メタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/12/12 うつ病は、最も高い障害負荷を有する疾患の1つである。治療抵抗性うつ病(TRD)は、その負荷の重要な因子であるが、そのための最良の治療アプローチ、とくに実践可能な増強療法の有効性については、あまり知られていない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのRebecca Strawbridge氏らは、TRDに対する心理学的および薬理学的な増強療法のエビデンスについて、システマティックレビュー、メタ解析を行った。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2018年11月20日号の報告。 2種類以上のうつ薬治療に対し効果不十分なうつ病患者をTRDと定義した。治験において、1種類以上の増強療法に無作為化された患者を対象とした。事前事後解析では、治療有効性を評価し、比較介入群と独立したエフェクトサイズ(ES)を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・28試験が抽出された。内訳は、心理学的増強療法3件、薬理学的増強療法25件であった。 ・事前事後解析では、N-メチル-D-アスパラギン酸を標的とする薬剤が、最も高いESを示した(ES:1.48、95%CI:1.25~1.71)。 ・3試験以上行われていた薬剤は、アリピプラゾール(4試験、ES:1.33、95%CI:1.23~1.44)、リチウム(3試験、ES:1.00、95%CI:0.81~1.20)のみであった。 ・全体として、薬理学的増強療法(ES:1.19、95%CI:1.80~1.30)および心理学的増強療法(ES:1.43、95%CI:0.50~2.36)は、プラセボ群(ES:0.78、95%CI:0.66~0.91)および心理学的コントロール群(ES:0.94、95%CI:0.36~1.52)よりもESが大きかった。 著者らは「実臨床で広く使用されているにもかかわらず、TRDに対する増強療法のエビデンスは、あまり多くない。事前事後解析は、直接比較の欠如により制限を受けるものの、治療方法全体にわたる有望な根拠を見いだすことができる」としている。 ■関連記事 リアルワールドデータにおける治療抵抗性うつ病 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Strawbridge R, et al. Br J Psychiatry. 2018 Nov 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 動機付け面接などの行動介入で、身体活動は増える?97試験のメタ解析/BMJ(2024/07/19) ニルセビマブ、乳児のRSV感染症入院リスクを83%減少/NEJM(2024/07/19) 局所進行食道がんに対する術前補助療法として3剤併用化学療法が標準治療となるか?(解説:上村直実氏)(2024/07/19) 蕁麻疹の診断後1年、がん罹患リスク49%増(2024/07/19) 日本のリアルワールドデータから考える高リスクmHNPCの治療選択(J-ROCK)(2024/07/19) 小児・青年に対する抗精神病薬の生理学的影響の比較〜ネットワークメタ解析(2024/07/19) 片頭痛の予防薬は薬物乱用頭痛も減らす?(2024/07/19) オーラルフレイルは死亡リスクと独立して関連(2024/07/19) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)