夜間頻尿は睡眠障害の主な原因であり、併存症の増加とQOLの低下に関連しているが、死亡への影響は不明である。今回、フィンランド・Paijat-Hame Central HospitalのJori S. Pesonen氏らが系統的レビューおよびメタ解析を行った結果、夜間頻尿がある人は死亡リスクが約1.3倍に増加することが示唆された。The Journal of Urology誌オンライン版2019年7月31日号に掲載。
本研究では、PubMed、Scopus、CINAHL、主要な泌尿器関連学会の抄録を2018年12月31日まで検索した。ランダム効果メタ解析で夜間頻尿者の死亡の調整相対リスクを調べ、メタ回帰分析でバイアスリスクを含む異質性の潜在的な決定因子を調べた。死亡の予後危険因子あるいは死亡原因としての夜間頻尿のエビデンスの質を、GRADEフレームワークを用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・特定された5,230件の報告のうち11件の観察研究が適格であり、10件の研究は症状の質問票で、1件は頻度-尿量記録で夜間頻尿が評価されていた。
・夜間頻尿は、6件(55%)の研究で一晩に2回以上、5件(45%)の研究で3回以上と定義していた。
・統合推定値によると、リスク比は1.27(95%CI:1.16~1.40、I2=48%、60歳と75歳の人の5年死亡率絶対差はそれぞれ1.6%と4.0%)であった。
・年齢、性別、追跡期間、夜間頻尿症例の定義、バイアスリスク、研究地域によって、相対リスクの統合推定値に有意な差はなかった。
・夜間頻尿のエビデンスの質は、予後因子としては中程度、死亡原因としては非常に低いと評価された。
(ケアネット 金沢 浩子)