高まる腫瘍循環器学への注目/日本腫瘍循環器学会

提供元:ケアネット

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公開日:2019/09/27

 

 がん治療において心血管系の合併症を避けることは容易ではない。ほとんどのがんの予後が改善される中、この合併症への対策はさらに重要になっている。2019年9月21日から第2回日本腫瘍循環器学会学術集会が開催された。東京大学の小室 一成氏は、理事長講演のなかで以下のように述べた。

 腫瘍循環器学は世界的に注目が高まっている。その傾向はわが国でも同様で、多くのがん関連学会、循環器関連学会で腫瘍循環器学が取り上げられている。

 日本腫瘍循環器学会においても、単施設レジストリなどの発表がさかんに行われていることは大きな前進である。今後はそのような個の活動からさらに進み、循環器専門医と腫瘍専門医の連携など組織的な活動へのさらなる発展が望まれる。

 学会としては、疫学研究(早期診断とリスク層別化、治療最適化のため)、基礎研究(病態解明)、治療指針としてのガイドライン策定、医療体制の整備について取り組んでいきたい。

 まずは2020年にも抗がん剤の心臓副作用の日本の状況を把握するレジストリ研究を開始するという。

(ケアネット 細田 雅之)