日本医師会の江澤 和彦氏(常任理事)が、『超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(4)脂質異常症』の完成を記者会見で発表した。
高齢患者における適正診療を10ページでガイド
わが国では生活習慣の欧米化に伴い、脂質異常症の患者は年々増加傾向にある。高齢者の脂質異常症の特徴としては、(1)成人に比べ動脈硬化性疾患の発症リスクが高い、(2)脳血管障害、冠動脈疾患を発症した患者の予後が不良で、要介護状態となるリスクも高いなどが挙げられる。江澤氏は「動脈硬化性疾患の一次予防、二次予防に向けて適切に管理することがきわめて重要になっている」と指摘した。
本手引きは、75歳以上の高齢者と老年症候群を合併した65歳から74歳の前期高齢者を対象に、「脂質管理目標値」として、リスク区分別の目標値の考え方を示している。ほかにも、脂質異常症のスクリーニングのためのフローチャートや、専門医との連携が必要な例などを紹介。
今回、『
(1)安全な薬物治療』、『
(2)認知症』、『
(3)糖尿病』に続く第4弾としての発刊。いずれも日本医師会のサイトに全ページがpdfで掲載されている。次年度は『高血圧症』について、同様の手引きが作成される見込みだ。
超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(4)脂質異常症
《目次》
1.脂質異常症の現状と治療総論
2.動脈硬化性疾患の検査方法
3.高齢者の脂質異常症の治療
4.高齢の患者における脂質異常症の薬物療法
5.高齢者の脂質異常症の薬物療法の注意点
6.高齢者の脂質異常症の薬物療法の支援
(ケアネット 堀間 莉穂)