ROS1陽性肺がんの血栓塞栓イベント/Lung Cancer

提供元:ケアネット

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公開日:2020/02/14

 

 オーストラリアの6施設がROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の静脈および動脈血栓塞栓症(TE)の発生率、転帰に関するプール解析を行った。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月22日号の掲載報告。

 主な結果は以下のとおり。

・登録患者42例の患者のうち、20例(48%)がTEを経験した。
・TEの内訳は、動脈塞栓症1例(2%)、肺塞栓症13例(31%)、深部静脈血栓症12例(29%)であった。
・TE患者のうち、6例(30%)が複数のイベントを経験した。
・TEは診断期前・中・後いずれの時期にも発現した。
・TEはまた治療戦略に関係なく発生した。
・TE合併患者の全生存期間中央値は、TE合併患者21.3ヵ月、TE非合併患者では28.8ヵ月であった(HR:1.16、95%CI:0.43~3.15)。
・化学療法1次治療群の全奏効率(ORR)は、TE合併患者で50%、TE非合併患者では44%であった。
・標的治療薬1次治療群のORRは、TE合併患者で67%、TE非合併患者で50%であった。

 ROS1融合遺伝子陽性肺がんでは、治療戦略に関係なく、診断期間を超えてTEリスクが持続的することがリアルワールドデータで示された。著者らは、ROS1融合遺伝子陽性肺がんでは、1次血栓予防の検討が推奨されると述べている。

(ケアネット 細田 雅之)