タバコは成人の乾癬における関連要因として知られているが、小児の乾癬においても同様であることが示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のJonathan Groot氏らは、同国出生コホートから2万5,812例のデータを集め、胎児期、乳児期(月齢6ヵ月まで)、小児期(11歳まで)のタバコ曝露と小児乾癬の関連を調べた。その結果、胎児期のタバコ曝露が線形にリスクを増大することが示唆され、小児乾癬においてもタバコが発症原因の役割を果たす可能性が示されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年1月20日号掲載の報告。
研究グループは、デンマーク出生コホートの参加者データを集めて、胎児期、乳児期、小児期のタバコ曝露が小児乾癬のリスクを増大するかを検討した。
データは、おおよそ在胎12週時および月齢6ヵ月時(乳児期)と11歳時(小児期)に集められ、完全データを得られた2万5,812例について、タバコ曝露と小児乾癬との関連オッズ比(OR)を推算して評価した。
なお、本研究はアウトカム状況の報告が母親によってなされている、という点から結果は限定的であるとしている。
主な結果は以下のとおり。
・小児期の乾癬リスクが、胎児期にタバコに曝露していた集団で観察された(補正後OR:1.39、95%信頼区間[CI]:1.06~1.82)。
・毎日の喫煙(紙巻きタバコ)量が多いほど、曝露反応関係が観察された(1日16本以上喫煙の補正後OR:2.92、95%CI:1.20~7.10、傾向のp=0.038)。
・乳児期(補正後OR:1.17、95%CI:0.76~1.79)、および小児期(補正後OR:1.10、95%CI:0.77~1.58)のタバコ曝露との関連性は、出生前曝露で調整後は減弱することが示された。
(ケアネット)