米国食品医薬品局(FDA)は2020年5月5日、SGLT2阻害薬のダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)について、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、左室駆出率が低下(NYHA心機能分類:II~IV)した心不全(HFrEF)の成人患者の心血管死および心不全入院のリスク低下に対する適応を承認した。英国・AstraZeneca社が発表した。HFrEFに対してFDAが承認した初のSGLT2阻害薬となる。
本承認は、第III相DAPA-HF試験の良好な結果に基づいている。本試験では、ダパグリフロジンを標準治療への追加治療として用い、HFrEF患者において、主要複合評価項目である心血管死または心不全悪化の発現率をプラセボと比較し26%低下させた(絶対リスク減少率[ARR]=5%[100患者・年当たりのイベント率換算で、それぞれ11.6例vs.15.6例]、p<0.0001)。試験期間中、ダパグリフロジン投与群では、21患者当たり1件の心血管死または心不全による入院/緊急受診を回避した。
なお、わが国における適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、心血管死および心不全による入院リスク低下に対する適応は取得していない。
(ケアネット 金沢 浩子)