COVID-19の重症化予測マーカーを調べるため、中国・Wenzhou Medical UniversityのXiaojie Bi氏らがCOVID-19患者の血液検査データを検討した結果、フィブリノーゲン/アルブミン比(FAR)と血小板数が重症化の独立したリスク因子であることがわかった。また、FAR 0.0883未満かつ血小板数13.5万/μL以上の場合、重症化の可能性を除外しうることが示された。Platelets誌オンライン版2020年5月5日号に掲載。
本研究では、Taizhou Public Health CenterにおけるCOVID-19患者113例について臨床的特徴と血液検査データを解析した。COVID-19の重症化を予測するためのバイオマーカーを特定するために多変量Cox分析を行った。その結果に基づいてノモグラムを作成し、予測精度を検量線、決定曲線、臨床影響曲線、Kaplan-Meier分析により評価した。さらに感度、特異度、的中率を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・重症患者では、フィブリノーゲン、FAR、Dダイマーが高く、血小板数、アルブミンは低かった。
・多変量Cox分析の結果、FARと血小板数が重症化の独立したリスク因子であることが示され、最適カットオフ値は、FARが0.0883、血小板数が13.5万/μLであった。
・C-index(0.712、95%CI:0.610~0.814)、決定曲線、臨床影響曲線により、ノモグラムで重症化が予測可能であることが示された。
・さらに、Kaplan-Meier分析の結果、FARが0.0883未満かつ血小板数が13.5万/μL以上の患者において潜在的リスクが減少することが示された。
・このモデルの陰性的中率は0.9474(95%CI:0.845~0.986)であった。
(ケアネット 金沢 浩子)