METexon14スキッピング変異、MET増幅肺がんに対するカプマチニブの効果/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/09

 

 非小細胞肺がん(NSCLC)では、3~4%の患者にMET遺伝子exon14スキッピング変異が、また1~6%の患者にMET増幅が認められる。ドイツ・ケルン大学のJurgen Wolf氏らGEOMETRY mono-1 Investigatorsは、さまざまなタイプのMET活性がんモデルにおいて作用が認められたカプマチニブについて、METexon14スキッピング変異が認められる進行NSCLC患者を対象とした第II相試験を行い、持続的な抗腫瘍効果が、とくに未治療の患者において示されたことを明らかにした。また、MET増幅進行NSCLCにおける有効性は、腫瘍細胞の遺伝子コピー数が少ない患者よりも多い患者で高かったこと、主な副作用は軽度の末梢浮腫および悪心であったことも示された。NEJM誌2020年9月3日号掲載の報告。

 MET増幅進行NSCLC患者におけるカプマチニブの評価は、複数コホート試験にて行われた。

 患者は、既治療ラインとMETステータス(MET遺伝子exon14スキッピング変異またはMET増幅)に基づくコホートに割り付けられ、カプマチニブ400mg×2/日を投与された。

 主要評価項目は、全奏効率であった。主な副次評価項目は、奏効期間とした。両評価項目は独立審査委員会で評価された。

 主な結果は以下のとおり。

・合計364例が、コホートに割り付けられた。
MET遺伝子exon14スキッピング変異NSCLC患者において、全奏効率は、1次または2次治療既往の患者(69例)では41%、未治療患者(28例)では68%であった。
・奏効期間中央値は、1次または2次治療既往患者群9.7ヵ月、未治療患者群12.6ヵ月であった。
・遺伝子コピー数10未満のMET増幅既治療患者における有効性は、限定的であった(全奏効率7~12%)。
・遺伝子コピー数10以上のMET増幅患者では、奏効率は既治療群で29%であったが、未治療群は40%であった。
・最も頻度の高かった副作用は、末梢浮腫(51%)、悪心(45%)であったが、大半がGrade1/2であった。

(ケアネット)