再発した非ホジキンリンパ腫患者を対象に、PI3K阻害薬であるcopanlisibとリツキシマブの併用療法の有効性と安全性を評価したCHRONOS-3試験の結果が、Lancet Oncology誌4月10日号オンライン版に掲載された。
CHRONOS-3は、世界186施設で行われた多施設共同、二重盲検、無作為化第III相試験。対象はPS2以下、1年以上無増悪かつ無治療、または化学療法不適の場合は6ヵ月以上無治療の成人再発非ホジキンリンパ腫患者で、copanlisib+リツキシマブ群とプラセボ+リツキシマブ群に無作為で割り付けられた。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)だった。
主な結果は以下のとおり。
・2015年8月3日~2019年12月17日の間に458例が適格となり、copanlisib+リツキシマブ群(copanlisib群)307例、プラセボ+リツキシマブ群(プラセボ群)151例に割り付けられた。
・追跡期間中央値は19.2カ月(IQR:7.4~28.8)だった。
・copanlisib群のPFS中央値は21.5ヵ月(95%CI:17.8~33.0)で、プラセボ群の13.8ヵ月(10.2~17.5、HR:0.52[0.39~0.69]、p<0.0001)よりも有意な改善を示した。
・最も多かったグレード3~4の有害事象は、高血糖(copanlisib群:173/307[56%]、プラセボ群:12/146[8%]、および高血圧(122/307[40%]、13/146[9%])だった。
・重篤な有害事象は、copanlisib群145/307(47%)、プラセボ群27/146(18%)で報告され、薬剤関連死(肺炎)はcopanlisib群で1例、プラセボ群でゼロだった。
著者らは、copanlisibはリツキシマブと安全に併用できる初めてのPI3K阻害剤であり、再発非ホジキンリンパ腫患者において広範かつ優れた有効性を示した、としている。
(ケアネット 杉崎 真名)