皮膚がん再発率、広範囲切除術vs.モース手術vs.段階的切除術

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/02

 

 頭頸部皮膚がんの再発率について、術式による違いはあるのか。米国・インディアナ大学のPeter G. Bittar氏らはシステマティックレビューとメタ解析により、広範切除術(WLE)とモース顕微鏡手術(MMS)または段階的切除術の術後再発率を調べた結果、MMSまたは段階的切除術のほうがWLEと比べて再発率が低いことが示された。これまでに、異なる術式を比較した前向き試験は行われておらず、研究グループは各術式後の局所再発率を明らかにする目的で本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2021年5月4日号掲載の報告。

 研究グループは、PubMed、EMBASE、Web of Scienceを用いてシステマティックレビューを行い、頭頸部皮膚がんの手術後の局所再発率を報告しているあらゆる英語論文のケースシリーズ、コホート研究および無作為化試験を特定した。

 メタ解析はランダム効果モデルを用い、各種の手術手技について、およびMMSと段階的切除のサブグループについて、加重局所再発率と信頼区間(CI)を算出し評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・検索により、100本の論文原稿、1万3,998例の頭頸部皮膚がんを特定した。
・1万3,998例のうち、WLEによる治療例が51.0%(7,138例)、MMSが34.5%(4,826例)、また段階的切除術は14.5%(2,034例)であった。
・局所再発率は、MMSが最も低く0.61%(95%CI:0.1~1.4)であった。
・次いで、段階的切除術が1.8%(95%CI:0.1~2.9)と続き、WLEは7.8%(6.4~9.3)であった。

(ケアネット)

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