米国・Pfizerは10月13日付のプレスリリースで、同社のオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、18歳以上における臨床試験の初期データを発表した。2価ワクチン追加接種から7日後に被験者から採取した血清で、オミクロン株BA.4/5に対する中和抗体反応が、追加接種前よりも大幅に上昇したことが確認され、若年層と高齢者ともに、同社の起源株に対する1価ワクチンよりも、BA.4/5への予防効果が期待できることが示唆された。
同社が実施したBA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験では、55歳以上で1価ワクチン3回+2価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)と、同年齢層で1価ワクチン3回+1価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)とが比較された。また、18~55歳の1価ワクチン3回+2価ワクチンで4回目接種して7日後の血清(40例)も採取され、若年層と高齢者の2価ワクチンの反応も比較された。2価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約11ヵ月であったが、1価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約6ヵ月であった。この差にもかかわらず、中和抗体価のベースラインは各群でおおむね同程度だった。被験者のうち新型コロナの既往・現病歴がある人とない人は、各群で均等に層別化された。免疫原性は、SARS-CoV-2ライブウイルス蛍光焦点還元中和アッセイ(FFRNT)を用いて評価された。
主な結果は以下のとおり。
・2価ワクチンの追加接種を受けた被験者は、追加接種前よりもオミクロン株BA.4/5に対する中和抗体反応が大幅に増加し、18~55歳と55歳以上の両群で同等の反応が認められた。
・55歳以上の4回目接種で、1価ワクチン群と2価ワクチン群を比べると、2価ワクチン群のBA.4/5に対する中和抗体反応がより増加していた。
・2価ワクチンは忍容性が高く、初期データでは1価ワクチンと同等の良好な安全性プロファイルが示された。
同社は、2価ワクチンの追加接種から1ヵ月後の反応を測定した追加データについて、数週間以内に得られる見込みだとしている。
(ケアネット 古賀 公子)