アセトアミノフェン含有製剤の添付文書について、2023年1月17日、厚生労働省が改訂を指示した。改訂内容は『重大な副作用』の項への「薬剤性過敏症症候群」の追記で、薬剤性過敏症症候群の国内症例を評価したことに基づく。症例の因果関係評価および使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、アセトアミノフェン含有製剤と薬剤性過敏症症候群との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。
アセトアミノフェンの『重大な副作用』として薬剤性過敏症症候群が新設
該当医薬品は、アセトアミノフェン(経口剤、坐剤、注射剤)/トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン/サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・クロルフェニラミンマレイン酸塩/サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジンメチレンジサリチル酸塩/ジプロフィリン・ジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩・アセトアミノフェン・ブロモバレリル尿素。
アセトアミノフェン含有製剤の添付文書の改訂は以下のとおり。
重大な副作用
薬剤性過敏症症候群:
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
アセトアミノフェンと「薬剤性過敏症症候群」症例*の集積状況
(1)~(3)44例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例6例]
【死亡3例(うち、医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例0例)】
(5)3 例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例]【死亡0例】
(9)1 例[うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例]【死亡0例】
(4)、(6)~(8)、(10)は0例
(1)アセトアミノフェン[経口剤]…カロナール原末ほか
(2)アセトアミノフェン[坐剤]…カロナール坐剤小児用50ほか
(3)アセトアミノフェン[注射剤]…アセリオ静注液1000mgバッグ
(4)SG配合顆粒[一般名:ピラゾロン系解熱鎮痛消炎配合剤]
(5)トラムセット配合錠など
[一般名:トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤]
(6)カフコデN配合錠[一般名:ジプロフィリン・ジヒドロコデイン配合剤]
(7)ペレックス配合顆粒[一般名:非ピリン系感冒剤]
(8)小児用ペレックス配合顆粒[一般名:非ピリン系感冒剤]
(9)PL配合顆粒など[一般名:非ピリン系感冒剤]
(10)幼児用PL配合顆粒[一般名:非ピリン系感冒剤]
*:医薬品医療機器総合機構における副作用等報告データベースに登録された症例
(ケアネット 土井 舞子)