厚生労働省は8月29日、セファゾリンやダビガトランなど6つの医薬品の添付文書について、使用上の注意改訂指示を発出した。
セファゾリンでアレルギー反応に伴う急性冠症候群
セファゾリンNa水和物(商品名:セファメジンα筋注用0.25g ほか)とセファゾリンNa(同:セファゾリンNa点滴静注用1gバッグ「オーツカ」 ほか)において、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の国内症例(7例[死亡0例])を評価した結果、本剤とアレルギー反応に伴う急性冠症候群との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、副作用の項に『重大な副作用』を新設した。
ダビガトランの食道潰瘍や食道炎の発症、『重要な基本的注意』へ
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制に使用されるダビガトラン(同:プラザキサ)において、重度(CTCAE v5.0でGrade3以上)の食道潰瘍および食道炎の国内症例を評価した結果、現在、『適用上の注意』の項に記載されている「速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ1杯程度)の水とともに服用する」旨を、『重要な基本的注意』の項に記載することが適切と判断された。
〇食道潰瘍
17例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例14例であるが、14例中1例は禁忌に該当する症例)【死亡0例】
〇食道炎
32例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例11例であるが、11例中1例は禁忌に該当する症例)【死亡0例】
リバスチグミン、ペフィシチニブ、フィナステリドの添付文書も改訂
そのほか、リバスチグミン(同:イクセロンパッチ ほか)では「QT延長」が、ペフィシチニブ(同:スマイラフ)では「静脈血栓塞栓症」が重大な副作用に追加され、フィナステリド(同:プロペシア ほか)では慎重投与の項に「うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者」が追加された。
(ケアネット 土井 舞子)