日本人の軽度認知障害や早期認知症患者向けスマートフォンアプリの有用性

提供元:ケアネット

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公開日:2023/11/13

 

 順天堂大学の浜口 玲央氏らは、ライフクエストが開発した軽度認知障害(MCI)および早期認知症患者向けのスマートフォンアプリケーション「LQ-M/D App」の実現可能性、有用性、潜在的な効果を評価するため、本研究を実施した。Frontiers in Digital Health誌2023年9月12日号の報告。

 「LQ-M/D App」は、認知機能、身体運動トレーニング、生活習慣の習得機能およびユーザーエンゲージメントを強化するために、アップデート後に追加された継続性向上機能を有するMCIおよび早期認知症患者向けのスマートフォンアプリケーションである。継続性向上機能としては、トレーニング内容の最適化、疾患教育機能、ファミリーアプリによる家族でのモニタリングの機能が含まれる。

 単一施設によるアプリの使用状況、認知機能トレーニングおよび運動トレーニングの実施/中断、アンケート回答、認知機能評価に関するデータをレトロスペクティブに分析した。アプリ使用患者20例のうち、10例はアップデート前のバージョン、残りの10例はアップデート後のバージョンを使用した。

 主な結果と結論は以下のとおり。

・「LQ-M/D App」は、効果的に使用されており、継続性向上機能がいくつかの点でアプリ使用にプラスの影響を及ぼすことが示唆された。
・アプリの使用状況と認知機能との間に潜在的な関連が示唆されたが、データポイントのばらつきについては、慎重な解釈が求められる。
・本研究の限界として、サンプルサイズの小ささ、単一施設試験である点、レトロスペクティブ研究である点が挙げられる。
・今後、MCIおよび早期認知症のマネジメントに対する「LQ-M/D App」の有用性についてさらなる評価を行うためにも、より大規模なサンプルを用いた複数施設によるランダム化比較研究を行う必要がある。

(鷹野 敦夫)