薬剤性過敏症症候群、国際的コンセンサスを策定

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/21

 

 薬剤性過敏症症候群(DRESS:Drug Reaction with Eosinophilia and Systemic Symptoms)の重症度評価と治療に関する国際的なコンセンサスを策定する研究結果が、スイス・チューリヒ大学病院のMarie-Charlotte Bruggen氏らにより報告された。DRESSは、発現頻度は低いものの、死に至る可能性もある重症薬疹の1つである。研究グループはRAND/UCLA適切性評価法(デルファイ変法)を用いて100項目について検討を行い、93項目について合意形成に至った。著者は、「DRESSはさまざまな特徴を有する重度の皮膚有害反応を呈する薬疹で、臨床医は診断と治療管理に難渋する。今回のコンセンサスは、DRESS患者の診断、評価、治療を支援するものであり、将来的なガイドライン開発の基礎となるはすだ」と述べている。JAMA Dermatology誌2024年1月1日号掲載の報告。

 研究グループは、DRESS患者の診断、重症度評価、治療に関する国際的なコンセンサスを策定することを目的に、デルファイ変法を用いて各国の専門家による検討を行った。DRESSの専門家57人に参加を呼び掛け、54人が2022年7~9月に実施された調査に参加。DRESSのベースライン診断、重症度評価、急性期および亜急性期の治療管理に関する100項目を評価した。合意形成の基準は、デルファイ変法(1点[きわめて不適切]~9点[きわめて適切])による評価の中央値が7点以上かつ見解不一致指数(disagreement index)が1点未満と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・第1回の適切性評価において、82項目について合意形成が得られた。
・第2回評価で13項目が改訂・評価され、最終的に、全体で93項目の合意形成が得られた。
・専門家らは、基本的な診断法や重症度評価、臓器固有のさらなる研究について合意した。
・また、肝臓、腎臓、血液の関与の程度とその他臓器の損傷に基づく重症度評価(軽症、中等症、重症)について合意した。
・DRESSの重症度に応じた治療管理の主な方針に関しても合意した。
・DRESS患者の急性期後のフォローアップおよびアレルギー検査に関する一般的推奨事項も策定された。

(ケアネット)