統合失調症における抗精神病薬使用と心臓突然死との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2024/10/04

 

 台湾・高雄医学大学のKun-Pin Hsieh氏らは、抗精神病薬使用と心臓突然死リスクとの関連を明らかにするため、人口ベースのケースコントロール研究を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2024年9月2日号の報告。

 2011〜20年の国民健康保険研究データベースおよび台湾の複数死因データを用いて、本研究を実施した。対象は、2020年までに心臓突然死が発生した初発統合失調症患者。症例と対照は、年齢、性別、統合失調症診断年により1:4でマッチングした。抗精神病薬には、経口抗精神病薬(OAP)の連日投与、長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAI)、OAPとLAIの併用を含めた。

 主な結果は以下のとおり。

・OAP単独療法と比較し、OAPとLAIの併用(OR:1.91)およびLAI単独療法(OR:1.45)は、心臓突然死リスク増加と関連が認められた。
・心臓突然死の重要なリスク因子として、心血管合併症が特定された(調整OR:11.15)。
・抗精神病薬関連の心臓突然死リスクは、抗精神病薬未使用、OAP単独療法、LAI単独療法、OAPとLAIの併用の順で高まることが明らかとなった。

 著者らは「統合失調症患者にLAIを使用する際には、事前に心血管疾患の病歴を評価することは重要であり、LAI使用に当たっては、他の抗精神病薬を併用しないよう努めるべきであろう」としている。

(鷹野 敦夫)