乳がん患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン中断についてステートメント公表/日本がん・生殖医療学会

提供元:ケアネット

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公開日:2024/11/15

 

 日本がん・生殖医療学会では10月30日、「乳癌患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン内服中断、そして最終投与からの望ましい避妊期間についてのステートメント」を公表した。2023年に初回報告されたPOSITIVE試験の結果に基づき、「一定期間タモキシフェンを内服したのちに、最長2年として内服を中断して妊娠・出産を試みる場合、短期的な予後への影響はないものと考えられる」とし、最終投与からの望ましい避妊期間について以下のように推奨をまとめている。

 「本学会としては、タモキシフェンの内服を中断し自然妊娠を試みたり採卵したりする場合、最終投与からの望ましい避妊期間を、添付文書に従い9ヵ月とすることを推奨する。しかし、タモキシフェン内服前に妊孕性温存療法として採卵され、体外で凍結保存された胚や未受精卵を用いて妊娠を試みる場合は、すでに遺伝毒性は回避されているため、最終投与からの望ましい避妊期間は発生毒性のみを考慮し、3ヵ月とすることは許容されると考える。また妊娠・出産後や中断が2年を超えた場合には、速やかにタモキシフェンの内服を再開することを強く推奨する」

 ステートメントでは、POSITIVE試験の主な結果および2023年3月に厚生労働省から発出された「医薬品投与に関する避妊の必要性等に関するガイダンス」、タモキシフェンの添付文書改訂についての概要も示されている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)