毎日どのくらい歩くとうつ病予防に効果的か〜メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/27

 

 1日の歩行は、心血管イベントや全死亡リスクを低下させ、保護的に作用することが、近年のエビデンスで報告されている。しかし、歩数に基づく健康アウトカムには、追加の推奨事項が含まれる可能性がある。スペイン・Universidad de Castilla-La ManchaのBruno Bizzozero-Peroni氏らは、一般成人における1日の歩数とうつ病との関連を総合的に評価した。JAMA Network Open誌2024年12月2日号の報告。

 2024年5月18日までに公表された研究をPubMed、PsycINFO、Scopus、SPORTDiscus、Web of Scienceデータベースをシステマティックに検索し、メタ解析を実施した。対象研究には、身体活動、1日の歩数、うつ病などに関連するキーワードで検索した観察研究を含めた。補足的な検索方法も適用した。研究データには、客観的に測定された1日の歩数、うつ病に関するデータを含めた。PRISMA、MOOSEガイドラインに従い、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。独立した2人のレビューアーにより、データを抽出した。プールされたエフェクトサイズ(相関係数、標準化平均差[SMD]、リスク比[RR])、95%信頼区間(CI)の推定には、Sidik-Jonkmanランダム効果モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・18歳以上の成人9万6,173例(平均年齢の範囲:18.6±0.6〜91.2±1.6歳)を対象とした33件の研究(横断研究:27件、パネル研究:3件、プロスペクティブコホート研究:3件)をメタ解析に含めた。
・横断研究およびパネル研究において、1日の歩数とうつ病との逆相関が認められた。
・横断研究のSMDでは、1日5,000歩未満と比較し、5,000歩以上でうつ病リスクの有意な減少が認められた。
【1日1万歩以上】SMD:−0.26、95%CI:−0.38〜−0.14
【1日7,500〜9,999万歩】SMD:−0.27、95%CI:−0.43〜−0.11
【1日5,000〜7,499万歩】SMD:−0.17、95%CI:−0.30〜−0.04
・プロスペクティブコホート研究の統合推定値では、1日7,000歩以上は、7,000歩未満と比較し、うつ病リスクが低いことが示唆された(RR:0.69、95%CI:0.62〜0.77)。
・1日の歩数が1,000歩増加することは、うつ病リスク低下と関連していた(RR:0.91、95%CI:0.87〜0.94)。

 著者らは「本メタ解析により、1日の歩数が多いほど抑うつ症状が少ないことが示唆された。成人のうつ病リスクを軽減するための日常的な歩行の潜在的な保護的役割を明らかにするためには、さらなるプロスペクティブコホート研究が必要とされる」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)