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アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬

 先行研究により、トピラマートはアルコール依存症におけるエチルアルコール摂取を減じるが、認知障害を含むいくつかの有害事象の発現をもたらすことが示唆されている。一方で、ゾニサミドは構造的にアルコール依存症治療薬としての見込みがあり、トピラマートよりも忍容性が大きい可能性があるといわれている。米国・ボストン大学医学部大学院のClifford M. Knapp氏らは、ゾニサミドのアルコール消費への有効性と、アルコール依存症患者における神経毒性作用を調べた。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2014年11月25日号の掲載報告。

適切な認知症薬物療法を行うために

 英国・クィーンズ大学ベルファストのCarole Parsons氏らは、進行した認知症患者に対する適切な薬物治療を行うための薬物カテゴリーを作成すること、また、それらの患者で用いられている薬物を調べるための、長期前向きコホート試験の実現可能性を評価し、開発したカテゴリーを使用することで進行した認知症患者が入所するナーシングホームで処方が適切になるかを確認する検討を行った。これまで同様の評価や検討は行われていなかった。Drugs & Aging誌オンライン版2014年12月6日号の掲載報告。

統合失調症の心血管リスク、その出現時期は

 統合失調症患者は、心血管疾患の罹患率および死亡率が高いことが確認されている。しかしながら、これまでに、疾患早期におけるリスクの状態やその調整・媒介変数などについては明らかではなかった。米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らが、Recovery After an Initial Schizophrenia Episode(RAISE)試験参加者のデータを分析し、初回エピソード統合失調症スペクトラム障害(FES)患者では、心代謝のリスク因子および異常が疾患早期に出現しており、基礎疾患、不健康なライフスタイル、および抗精神病薬治療などが相互に関連していると思われることが明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「疾患早期の介入による予防と、低リスクの薬物療法とルーチンの副作用モニタリング、および禁煙指導といった介入が疾患早期から必要である」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2014年12月1日号の掲載報告。

聴覚障害と精神疾患リスク、ドパミンとの関連は

 聴覚障害を有する人では精神疾患リスクの増大が観察されている。社会的挫折論(social defeat hypothesis)によれば、長期的に排除されるという経験が、脳内のドパミンシステムの活性や感受性の強化に結び付き、精神疾患リスクを増大するとされている。オランダ・アムステルダム大学のMartin Gevonden氏らは、その関連性を実証するため、重度聴覚障害の若年成人におけるドパミン放出と、前述の社会的挫折論との関連を調べた。JAMA Psychiatry誌2014年12月号の掲載報告。

日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大

統合失調症患者の暴力行為に関連する広範な危険因子について、多くの研究が行われている。しかし、さまざまな社会的・文化的背景に関係する危険因子は不明なままである。千葉大学の今井 淳司氏らは、精神科救急により入院した日本人統合失調症患者における暴力行為に関連する因子を調査し、他の集団研究で見つかった因子との比較を行った。Schizophrenia research誌2014年12月号の報告。

イソフラボンは潰瘍性大腸炎のリスクか~日本人での検討

 先行研究により、エストロゲンが潰瘍性大腸炎の発症に関与することが示唆されている。イソフラボンは17β-エストラジオールと構造が似ていることから、食事におけるイソフラボン摂取が潰瘍性大腸炎発症に影響する可能性がある。そこで、潰瘍性大腸炎について多施設共同・症例対照研究を行っているThe Japanese Case-Control Study Group for Ulcerative Colitisは、前病段階におけるイソフラボン摂取と潰瘍性大腸炎リスクについて検討を行った。その結果、日常の食事におけるイソフラボンの摂取が、とくに女性における潰瘍性大腸炎リスク上昇と関連することが示唆された。この結果を受けて、著者らは「本知見を確認するため、プロスペクティブなコホート研究の実施が望ましい」と指摘している。PloS one誌2014年10月14日号の掲載報告。

クリスマスは本当に自殺者が多いのか

 クリスマスの時期は他の休日と比較して、オーストリアにおける自殺率が低いことが、オーストリア・パラケルスス医科大学のMartin Ploderl氏らによる研究で明らかになった。このことは、楽しい休日を過ごすはずだったのに期待外れに終わった失望が自殺率に影響するとした「broken-promise effect」の仮説を打ち消すものであり、より適切なタイミングで自殺予防を行う手助けとなりうるかもしれない。European journal of public health 誌2014年9月 22日号の掲載報告。

過食性障害薬物治療の新たな可能性とは

 過食性障害に対する薬理学的アプローチについて、米国・ノースカロライナ大学のKimberly A. Brownley氏らが現状を紹介している。これまでに、食欲過剰、気分調節、衝動制御に関連する神経伝達物質を標的とした検討が行われており、なかでもグルタミン酸シグナル伝達回路に着目した研究に新たな可能性があることを示唆している。Drugs誌オンライン版2014年11月27日号の掲載報告。

白斑、円形脱毛症とアトピー性皮膚炎は有意に関連

 米国・ノースウェスタン大学のGirish C. Mohan氏らは、観察研究のメタ解析を行い、白斑または円形脱毛症(AA)を有する患者において、アトピー性皮膚炎リスクが高いという所見に関して矛盾が認められるかを検討した。結果、同所見について一貫した有意な関連がみられ、とくに白斑は早期発症(12歳未満)の患者で、AAについては全頭型・全身性のほうが関連が強いことが明らかになったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月3日号の掲載報告。