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アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か

 抗精神病薬の治療効果を見極めるタイミングは難しい。韓国・全北大学医学部のPark Jong-Il氏らは、初回エピソード精神疾患におけるアリピプラゾール治療の有効性および安全性を確認するとともに、同治療の3週時点の反応が2週時点の反応よりもその後の反応を正確に予測することが示されたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。

イソトレチノインの新製剤は吸収率が2倍に

 にきび治療薬として世界中で使用されているイソトレチノイン(国内未承認)は、吸収率を至適なものとするために高脂肪食の摂取が必要とされるが、脂肪食を摂取しない場合に吸収率を高める新しい製剤が開発され、米国食品医薬品局(FDA)において承認されたという。米国・ジェファーソン医科大学のGuy F. Webster氏らは、その薬物動態について従来製剤との比較を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。

小腸用カプセル内視鏡は胃食道病変も見つけられるのか?

 小腸用カプセル内視鏡検査(CE)は、門脈圧亢進症における小腸病変のスクリーニングだけでなく、F2/F3およびLs/Lmの食道静脈瘤、胃体部の門脈圧亢進症性胃症の診断においても信頼性が高いことが、広島大学大学院 消化器・代謝内科の青山 大輝氏らによる研究で明らかになった。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2013年8月23日号の報告。

乾癬が就業に与えるリアルな影響

 イタリア・ナポリ大学のAyala.F氏らによって、中等症~重症乾癬患者における、就業への影響が調査された。それによると、乾癬の罹患が患者の就業に対して深刻な影響を及ぼし、雇用の機会、就業日数、将来への期待、収入を得る機会に影響することが報告された。乾癬が及ぼす身体的、心理社会的な影響のため、患者さんは充実した生活を送るのが難しいことがあるが、これまで就業関連への影響については、調査が十分とはいえなかった。J Eur Acad Dermatol Venereolオンライン版2013年8月21日掲載報告。

精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか

 初回エピソードの精神疾患患者において、右連合野線条体においてグルタミン酸値の上昇が示されている。しかし、この上昇が、効果的な抗精神病薬治療後に持続するかどうかについては不明であった。メキシコ・Instituto Nacional de Neurologiay NeurocirugiaのCamilo de la Fuente-Sandoval氏らは検討の結果、4週間の抗精神病薬治療により臨床的有効性が認められた初回エピソードの精神疾患患者ではグルタミン酸値が正常化していたことを報告し、「これらの結果は、臨床症状の改善にグルタミン酸値低下が関連している可能性があるとの仮説を支持するものである」と結論している。JAMA Psychiatry誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。

腰痛持ち女性の多くがマッサージやカイロに通う

 腰痛患者は補完代替医療(CAM)を含むさまざまな医療サービスを受けているといわれている。なかでも女性は男性よりも頻繁にCAMを利用する傾向にあるが、その利用パターンは十分わかっていない。オーストラリア・シドニー工科大学のVijayendra Murthy氏らは、大規模コホート研究について解析し、腰痛持ちの女性は多くが従来医療と並行してCAMも利用していることを明らかにした。

妊娠線とQOLの意外な関係 ―本当は何がQOLに影響するか―

 妊娠線は明確な発現機序は明らかになっていないが、一度生じると治療は困難で、QOLに影響する。妊娠線の予防のため、保湿剤がよく用いられているが、これまでこうした予防策とQOLの関係については不明のままであった。京都大学の山口 琴美氏らは、妊娠線の予防を実施している中部地方の日本人妊婦を対象に横断調査を行い、保湿の効果とQOLについて評価した。

がん患者の深刻な就労問題に国も本腰

 8月29日~31日に仙台市にて開かれた 第11回日本臨床腫瘍学会において、「Cancer Survivorshipを考える―Social Networkを活用した就労支援―」とと題したワークショップが開催された(座長:一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 天野 慎介氏、国立がん研究センターがん対策情報センター 高橋 都 氏)。がん治療およびがん患者の就労に対するついて社会の理解不足により、がんを罹患してから離職を余儀なくされる患者は多く、がん患者にとっては深刻な問題となっている。そして、その問題に対する一つの取り組みが始まろうとしている。

ALK陽性肺がん第3相試験、日本人の結果は

 クリゾチニブ(商品名:ザーコリ)のPhase III試験PROFILE 1007 では、進行ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)2次治療において、クリゾチニブは標準的化学療法であるペメトレキセド(同:アリムタ)またはドセタキセル(同:タキソテール)に比べ、有意に無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)を改善した。この試験の日本人のサブ解析が、第11回日本臨床腫瘍学会にて近畿大学腫瘍内科の中川和彦氏から発表された。

慢性疼痛は認知機能障害に影響するのか

 慢性疼痛を有する人は概して認知機能障害を有しているといわれる。オーストラリア・南オーストラリア大学のCarolyn Berryman氏らは、その関連を明らかにするため慢性疼痛患者におけるワーキングメモリ機能に関する文献のシステマティックレビューを行った。その結果、これまでの報告はバイアスリスクならびに不均一性が高いことが明らかになったと報告。

中等度~重症小児湿疹にナローバンド紫外線療法は有用

 中等度~重症の小児湿疹に対するナローバンド紫外線(NBUVB)療法は、臨床的効果がありQOLを改善することを、英国・Royal Victoria InfirmaryのS. Darne氏らが前向きコホート研究の結果、報告した。効果は治療後6ヵ月時点でも持続していた。これまで小児湿疹に対するNBUVB療法の効果についてのエビデンスは、後ろ向きなものに限られていた。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月12日号の掲載報告。

職業性腰痛の直接医療費は年間800億円超

 作業関連性(職業性)腰痛は労働人口において重大な健康問題であるが、有効な対策を講じるには職業性腰痛の総医療費とその内訳を明らかにする必要がある。しかし、米国を除き、職業性腰痛の経済的負担に関する報告はほとんどない。順天堂大学の伊藤弘明氏らは、わが国における職業性腰痛の直接医療費を算出し、2011年度は821億円にものぼることを明らかにした。著者は「職業性腰痛はわが国に相当な経済的負担をもたらしている」とまとめている。Industrial Health誌オンライン版2013年8月13日の掲載報告。  社会医療診療行為別調査、患者調査、労働力調査、全国健康保険協会、国民健康保険、長寿医療制度等のデータを用い、1日当たりの治療費、すべての原因による腰痛の治療日数、雇用率、職業性腰痛の推定患者数に基づき、2011年、2008年、2005年および2002年における職業性腰痛に要する年間医療費を算出した。

タバコの価格は1,000円以上が妥当? 医師1,000人の意識調査より

 分煙・禁煙エリアの拡大のみならず、喫煙者の採用拒否を明言する企業の増加、表現活動における喫煙シーンへの論議が起こるなど、社会の嫌煙モードは喫煙環境の制限に留まらない様相を呈している。ケアネットは29日、ケアネット・ドットコム医師会員1,000人に対して実施したタバコおよび喫煙者の負担に対する意識調査の結果を発表した。2010年10月以降大きく下がった喫煙率、喫煙への抑止力として働いたタバコ価格を医師はどうみているのか?こうした状況下での、タバコに関する医師の意識について詳細をまとめた。

抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36%

 アジア人の高齢統合失調症患者における抗精神病薬の処方状況が調査された。その結果、50歳以上のアジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用しており、低~中用量を処方されている患者に比べ罹病期間が長く、現在陽性症状または陰性症状を呈している割合が多く、処方されている抗精神病薬の種類が多いことなどを香港中文大学のYu-Tao Xiang氏らが報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。

ビタミンDはアトピー性皮膚炎に有用

 ビタミンDの補給は、アトピー性皮膚炎の臨床症状改善に有用である可能性が示された。安全性、忍容性とも良好だという。ポーランド・ワルシャワ医科大学のZbigniew Samochocki氏らによる検討の結果、報告された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年8月号(オンライン版2013年5月2日号)の掲載報告。  ビタミンDには免疫調整作用がある。免疫機構はアトピー性皮膚炎(AD)の病因となっていることから、ビタミンDがADの病態に影響を及ぼす可能性があった。そこで研究グループは、AD患者におけるビタミンD濃度と臨床的・免疫学的・体質的・環境的因子との関連を調べること、またビタミンDの補給がADの臨床症状に影響を及ぼすかどうかについて検討することを目的とした。