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腰椎椎間板切除術、日帰り手術により短期合併症が減少

 腰椎椎間板切除術は最も頻度の高い脊椎手術で、外来でも実施可能である。同外来手術は、低コストでより大きな患者満足度が得られ安全性に問題はないことがこれまで報告されていたが、今回、米国・アイオワ大学病院のAndrew J. Pugely氏らによる前向きコホート研究において、入院手術に比べ術後短期合併症が少ないことが確認された。

SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆

 非定型抗精神病薬をSSRIとともに用いることは、抗うつ作用を増強する適切な治療戦略であることを支持する知見が示された。フランス・パリ第11大学のG. Quesseveur氏らによる研究。セロトニン2A受容体(5-HT2AR)が選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の活性に及ぼす影響のメカニズムについて、遺伝子多型モデルマウスを用いて検討した結果、SSRIであるエスシタロプラムの抗うつ作用が、5-HT2AR阻害に伴うノルアドレナリン作動性神経の伝達促進を介して増強する可能性が示唆されたという。Experimental Brain Research誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

慢性のかゆみ、基礎疾患やひっかき行動などの男女差を確認

 慢性のかゆみについて、かゆみの質や部位、起因のみならず、基礎疾患やひっかき行動に関しても男女があることが、ドイツ・ミュンスター大学のS. Stander氏らによる検討の結果、明らかにされた。医療において性差は重大な因子として認識が高まってきているが、慢性のかゆみについてはこれまでごくわずかな認識にとどまっていたという。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年2月6日号の掲載報告。

紅茶・コーヒーの摂取量と前立腺がんリスクの関係

 近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

摂食てんかんが食事中に起こる種々のメカニズムが明らかに

 摂食てんかん(Eating Epilepsy)は、食事摂取によりてんかん発作が誘発される反射性てんかんの一つであるが、その病態はまだ十分に認識されていない。今回、この摂食てんかんについて、大半が最初の誘発刺激から長い期間を経て発症し、治療抵抗性の経過をたどるという特徴があることが、トルコ・イスタンブール大学のUlgen Kokes氏らにより明らかにされた。Clinical EEG and Neuroscience誌オンライン版2013年2月6日号の掲載報告。

統合失調症、双極性障害の急性期興奮状態に対する治療:アリピプラゾール筋注に関するコンセンサス・ステートメント(英国)

 統合失調症患者や双極性障害患者の急性期興奮状態に対する薬物治療では、急速な鎮静作用だけでなく、長期的な治療を見据えた薬剤選択が重要である。英国・Northcroft HospitalのDomingo Gonzalez氏らは、双極性躁病と統合失調症の興奮に対する急速鎮静法としてのアリピプラゾール筋注について、コンセンサス・ステートメントを発表した。Current Medical Research and Opinion誌2013年3月号(オンライン版2013年2月4日号)の掲載報告。

長距離ランナーは、疼痛知覚が低い

 疼痛への感受性の違いが疼痛性障害の発症リスクと関わりがあるかもしれないことから、ドイツ・ウルム大学病院のWolfgang Freund氏らは、興味深い研究対象として「疼痛に高い耐性を示す人」について研究を行った。対象としたのは長距離ランナーで、その疼痛耐性および性格特性を調べた結果、健常対照者および慢性疼痛患者と異なっていることが明らかになったという。

7割の医師が“モンスターペイシェント”の対応経験あり 10人に1人は暴力も

 ケアネットは21日、自社で運営するケアネット・ドットコムの医師会員1,000人に対し、“モンスターペイシェント”に対する意識調査を実施した。本調査では、医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求、暴言、暴力を繰り返す患者やその家族などに対応した経験について尋ねた。

皮膚筋炎患者の心筋梗塞リスクは約4倍、脳梗塞リスクは約1.8倍

 皮膚筋炎(DMS)患者では、心血管イベントおよび脳血管イベントのリスクが高いことが、台湾・国立台湾大学病院のY.-T. Lai氏らが行った住民ベースの長期追跡調査の結果、明らかになった。自己免疫疾患に関連する慢性炎症性疾患は心血管リスクを増大することは知られているが、脳血管リスクについてはこれまで不明であった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。

むずむず脚症候群と統合失調症、遺伝子の関連が示唆

 脚がむずむずして眠れない、といった症状を呈するむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)。その原因は明らかになってはいないが、脳内のドパミン調節機能障害や鉄分の不足が大きく影響していると言われている。また、ゲノムワイド関連解析やいくつかのレプリケーション研究により、RLSとBTBD9遺伝子の一塩基多型との関連も示されている。韓国のSeung-Gul Kang氏らは抗精神病薬誘発性のRLSと統合失調症患者のBTBD9遺伝子多型との関連を調査した。Human psychopharmacology誌オンライン版2013年1月30日号の報告。

脂肪肝患者では大腸がんの肝転移が少ない!?

 脂肪肝と大腸がんはどちらもメタボリックシンドロームと関連する疾患である。肝臓は大腸がんの遠隔転移が最も多い部位だが、大腸がんの肝転移に脂肪肝が影響するかどうかは明確にされていない。  今回、東京大学腫瘍外科の室野浩司氏らは、大腸がんの肝転移と脂肪肝の有無との関連について検討した結果、脂肪肝患者のほうが肝転移が少なく、脂肪肝が肝転移の形成に不利な微小環境である可能性を報告した。また、肥満ではない脂肪肝患者では肝転移が少なく、肥満患者では有意差がなかったことから、肥満による脂肪肝とは異なり、がん細胞に対する防御反応として脂肪肝になるのかもしれないと考察している。International Journal of Colorectal Disease誌オンライン版2013年2月8日号に掲載。

難治性の慢性特発性蕁麻疹患者、ピロリ菌除菌療法で約3割が症状消失

 抗ヒスタミン薬が無効の慢性特発性蕁麻疹(CU)患者について、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下 ピロリ菌)感染症の除菌療法がベネフィットをもたらす可能性が、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のE. Magen氏らによる検討の結果、報告された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。

統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

 統合失調症リスク遺伝子と関わりを持っていることなどが知られている「NDEL1」。統合失調症の臨床診断および薬物治療のバイオマーカーとして、血中NDEL1酵素活性が期待できることが示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のAry Gadelha氏らが、統合失調症患者と健常対照者の血中NDEL1酵素活性レベルを比較し、臨床プロファイルや治療反応との関連を調べた結果、統合失調症患者では同値が有意に低いことなどが示されたという。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2013年2月3日号の掲載報告。

静注ブスルファンと全身放射線照射との造血幹細胞移植後の全生存率の比較の報告が“Best Abstracts”に選出される【2013 BMT Tandem Meetings】

 BMT Tandem Meetings(米国造血細胞移植学会/国際骨髄移植研究センター 合同学術集会)において、造血幹細胞移植前治療としての静注ブスルファンと全身放射線照射(TBI)の骨髄破壊的レジメンを比較した試験の結果が、オタワ大学(カナダ)のChristopher Bredeson氏により報告された。この試験は、本学会の全553演題の中から最も優れた6題を表彰する“Best Abstracts”セッションにおいて、15日に米国ユタ州ソルトレイク市で発表された。