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ロタウイルスワクチン、市販後の有効性モニタリングで大切なこと

スペインでは2006年に、2種の経口弱毒生ロタウイルスワクチンが、6ヵ月未満児のために認可された。そのワクチン有効性について最近のデータで、ばらつきがある可能性が示されたという。スペイン・カステロン公衆衛生センターのJuan B Bellido-Blasco JB氏らは、このことはロタウイルスワクチンの有効性に関する市販後モニタリングに重大な局面をもたらすものだとして、症例対照研究を行った。Vaccine誌オンライン版2012年10月25日号の掲載報告。

簡便かつ有効な8項目からなる乾癬重症度の自己評価PSI

乾癬重症度の自己評価によるアウトカム尺度PSI(Psoriasis Symptom inventory)について検証した結果、簡便性、有効性、再現性があり、変化に対する感度も良好で、乾癬の臨床試験で有用なPRO尺度となり得ることが示された。米国・Health Research Associates社のBushnell DM氏らが、8項目からなる同尺度について検証した結果、報告した。The Journal of dermatological treatment誌オンライン版10月24日号の掲載報告。

双極性障害では短期間の強いうつ症状が高頻度に出現

双極性障害患者の大半は、DSM-IV診断基準で定義されるうつ病エピソード以外のうつ症状を経験する。ドイツ・ドレスデン工科大学のBauer M氏らは、1~4日間の短期うつ症状エピソードの頻度を、デイリー自己申告気分評価(daily self-reported mood ratings)を用いて調査した。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌2012年11月号の報告。

医師の7割以上が、生活保護受給者の医療費一部負担に賛成 “後発品使用義務付け”は薬効への疑問から懸念の声も ―ケアネット調査

 不正受給問題に端を発し、生活保護のあり方が議論されているなか、現在窓口負担がゼロである医療費について患者の一部負担を求める、あるいは後発医薬品の使用を義務付けるという案も出ている。これを踏まえ、ケアネットでは医師会員1,000人に対してアンケートを行い、現場の医師たちがこの問題がどのようにとらえられているのかを調査した。その結果、医師の7割以上が生活保護受給者の医療費一部負担に賛成していることがわかった。

治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションはQOLも改善する

 近年、治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションが長期間にわたって血圧を低下させることが発表されてきているが、生活の質(QOL)に及ぼす影響については明らかではなかった。Lambert氏らは腎デナベーション施行3ヵ月後のQOLについて、SF-36およびベックうつ評価尺度を用いて検証した結果、精神的側面のQOLを改善したことをHypertension誌に発表した。

【速報!AHA2012】ダビガトラン長期投与で、脳梗塞リスクと出血リスクはどう変わる?

非弁膜症性心房細動(AF)例を対象とした大規模試験 "RE-LY" において、直接的トロンビン阻害薬ダビガトランは、220mg/日と300mg/日の2用量が用いられた。その結果、300mg/日は220mg/日に比べ脳梗塞リスクは有意に減少させるも、大出血は増加傾向にあった(ただしいずれの用量でもワルファリンよりは低出血率)。この結果は、より長期の服用においても維持されるようだ。Stuart J. Connolly氏(マクマスター大学:カナダ)がRELY-ABLEの結果として、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションで報告した。

高齢男性の大腿骨頸部骨折予防には地中海式ダイエットが効果あり!?

大腿骨頸部骨折予防は重大な公衆衛生の課題である。ギリシャ・アテネ大学医学部WHO共同・食と栄養政策センターのBenetou V氏らは、欧州8ヵ国からなる成人コホートを対象に、地中海式ダイエットと大腿骨頸部骨折発生との関連を前向きに調査した。その結果、地中海式ダイエットの遵守と、とくに男性における大腿骨頸部骨折発生減少とに関連するエビデンスを見出したと報告した。これまで大腿骨頸部骨折発生に関与する食事内容のエビデンスはほとんど報告されていなかった。Osteoporos Int.誌オンライン版2012年10月20日号の掲載報告。

【日本癌治療学会2012】膀胱がん治療の過去と未来(筋層非浸潤性膀胱がん)

第50回日本癌治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、大園 誠一郎氏(浜松医科大学泌尿器科)は、「筋層非浸潤性膀胱がんの治療」と題して、筋層非浸潤性膀胱がんの治療における、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の意義、BCGの維持療法、高齢者などに対する副作用を考慮した低用量BCG、そして今後の展望について講演を行った。

【速報!AHA2012】日本における下肢虚血に対する血管内治療の成績発表:OLIVEレジストリ

近時、下肢虚血に対する血管内治療(EVT)の進歩が著しい。その一方、網羅的な実態は必ずしも明らかではなかった。そのため、わが国では”OLIVE”レジストリが組織され、 重症下肢虚血例に対するEVTの実態把握にのりだした。その成績が、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションにて、中村正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)により報告された。

初回エピソード統合失調症患者におけるGABA機能への影響

 統合失調症患者では皮質内抑制ネットワークの障害がしばしば認められる。これは、γ‐アミノ酪酸(GABA)作動性の伝達機能障害と関連すると考えられる。これまで初回エピソード発現リスクの高い未治療患者を対象とした研究は行われていなかったが、ドイツのHasan氏らによる断面研究の結果、リスクが高まった時には皮質抑制性の障害がすでに出現していることから、疾患進行と共に起きているようにみえるGABAの機能障害が、疾患早期から起きている可能性が示唆された。Biol Psychiatry誌2012年11月1日号の報告。

【日本癌治療学会2012】腎がん治療の過去と未来

第50回日本癌治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、金山博臣氏(徳島大学大学院HBS研究部泌尿器科学)は、「腎がん:サイトカイン、分子標的治療など」と題して、腎がんのサイトカイン療法および分子標的治療の歴史と現在の標準治療、今後の展望について講演を行った。

【日本癌治療学会2012】前立腺がん治療の過去と未来

第50回日本癌治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、市川智彦氏(千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学)は、「前立腺がん治療の過去と未来:外科的療法、ホルモン療法を中心に」と題して、前立腺がんの治療の歴史と現在の標準治療、今後の展望について、外科的治療と去勢抵抗性前立腺がんを中心に講演を行った。

【速報!AHA2012】虚血性心不全に対する初の心筋幹細胞移植、2年目成績が明らかに!-SCIPIO試験-

学会3日目となる6日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、昨年の本学会で報告されたSCIPIO試験の2年追跡データが報告された。心筋梗塞後の左室機能低下例に対する、初の心筋幹細胞移植の安全性・有効性を検討した第 I 相試験である。2年間追跡後も、1年間追跡時と同様の有用性が確認された。ルイビル大学(米国)のRoberto Bolli氏が報告した。

血中ビタミンD値が高くても、抗皮膚がん効果は認められず

ビタミンDは、抗皮膚がん効果を有する可能性があるとされるが、これまで住民ベースの検討によるエビデンスはほとんどなかった。オーストラリア・クイーンズランド医学研究所のJolieke C van der Pols氏らは、同国の亜熱帯地域住民を対象に、血中ビタミンDレベルと皮膚がんリスクの関連について評価。その結果、血中ビタミンDが高いと、高い日光曝露の発がん性を打ち消すという可能性は示されなかったことを報告した。J Invest Dermatol誌オンライン版2012年10月18日号の掲載報告。

【速報!AHA2012】 期待の『抗PCSK9抗体』の最大規模第II相試験、報告される -LAPLACE-TIMI57試験-

今回のAHAで最も注目されている薬剤は、抗PCSK9抗体だろう。強力な新規LDLコレステロール低下薬としての可能性が、多くの臨床試験で報告されている。6日のClinical Science:Special Reportでは、抗PCSK9抗体AMG145を用いた最大規模の第二相試験"LAPLACE"の、最終結果が、ハーバード大学(米国)のRobert P. Giugliano氏により報告された。

骨粗鬆症治療薬アドヒアランス良好でも骨折リスクが高い患者の特性が明らかに

骨粗鬆症治療薬アレンドロネートの服薬遵守により過剰なリスクは軽減されるが、多くの患者の骨折リスクは高いまま残存する。南デンマーク大学のAbrahamsen B氏らは、それら患者の特性を明らかにするため、全国処方レジストリデータを分析し、骨粗鬆症性骨折の新たなリスク因子の同定を行った。

【速報!AHA2012】同時複数箇所焼灼カテーテルを用いた腎動脈アブレーションの安全性:降圧効果は?:EnligHTN 1

近年、Symplicityカテーテルを用いた腎動脈アブレーションの、薬物治療抵抗性高血圧に対する著明な降圧作用が報告されている。今回、EnligHTNカテーテルを用いても、同様の有用性を期待できることが明らかになった。パイロットスタディ "EnligHTN I" の結果として、4日のClinical Science: Special RepoertsセッションにてVAメディカルセンター(米国)のVasilious Papademetriou氏が報告した。

【速報!AHA2012】CETP阻害薬によるHDL-C増加、今度は有用性を示せたか?:dal-OUTCOMES

4日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、本年6月に中止が公表された大規模試験 "dal-OUTCOMES" の結果が報告された。急性冠症候群(ACS)既往例において、ダルセトラピブは、HDLコレステロール(HDL-C)を著明に増加させながら、心血管系イベント抑制作用はプラセボと同等だった。VAメディカルセンター(米国)のGregory G Schwartz氏が報告した。先行していたCETP阻害薬トルセトラピブがILLUMINATE試験にて、プラセボに比べ総死亡と心血管系イベントを有意に増加させていたのとは、若干異なるようだ。