現代の精神医学において、うつ病診断は診断基準を用いて行われるが、治療により各症状がどのように推移するかはよくわかっていなかった。京都大学の田近 亜蘭氏らは、抗うつ薬治療によるうつ病患者の症状の推移について調査を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2019年10月16日号の報告。
未治療のうつ病患者に対するセルトラリンおよび/またはミルタザピンによる25週間の実用的ランダム化比較試験の参加者2,011例を対象に、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いて、9つの診断基準症状を反復評価した。反復測定による混合効果モデルを用いて、ベースラインからの変化を推定した。各症状の消失時間は、カプランマイヤー生存分析を用いてモデル化した。