進行胃がん患者における、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用療法の有効性および安全性を評価する、単施設での第II相試験「EPOC1706試験」の結果が論文発表された。国立がん研究センター東病院の川添彬人氏らによる検討で、良好な安全性プロファイルと有望な抗腫瘍効果が認められたことを報告した。先行研究で、PD-L1陽性(CPS≧1以上)の進行胃がん患者において、抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブは約15%の奏効率を示すことが報告されている。一方で、VEGF受容体および他の受容体チロシンキナーゼのマルチキナーゼ阻害薬であるレンバチニブは、腫瘍関連マクロファージの顕著な減少とCD8 T細胞浸潤の増加によりPD-1阻害薬の抗腫瘍活性を高めることが、in vivo研究で示されていた。Lancet Oncology誌オンライン版2020年6月23日号掲載の報告。
研究グループは、20歳以上の転移を伴う再発胃がん・胃食道接合部腺がん患者を対象に、レンバチニブ(20mg/日 連日)およびペムブロリズマブ(200mg/日 3週ごと)の併用療法を病勢進行、許容できない毒性の発現または同意撤回まで継続した。
主要評価項目は、奏効率(RECISTに基づく)で、1回以上治療を受けた患者を解析対象とした。
主な結果は以下のとおり。
・2018年10月15日~2019年3月25日に、1次治療または2次治療として29例が登録された。
・データカットオフ日(2020年3月20日)における追跡期間中央値は、12.6ヵ月であった。
・29例中20例で奏効が得られ、奏効率は69%であった。
・主なGrade3の治療関連有害事象は、高血圧症(11例、38%)、蛋白尿(5例、17%)、血小板数減少症(2例、7%)であった。
・Grade4の治療関連有害事象、重大な治療関連有害事象および治療関連死亡は認められなかった。
(ケアネット)