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アトピーの「痒み」に対するnemolizumabの有効性、第III相試験で確認/マルホ

マルホ株式会社(大阪市、代表取締役社長:高木 幸一)は7月9日、中等度~重度のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象に、国内で実施したnemolizumabの第III相臨床試験の結果、主要評価項目である投与開始16週後のそう痒VAS変化率が、プラセボ群と比べ有意に低下させたことを発表した。本結果はThe New England Journal of Medicine誌オンライン版2020年7月9日号に掲載された。
nemolizumabは、中外製薬が創薬した抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。IL-31は、そう痒誘発性サイトカインで、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹および透析患者におけるそう痒発生に関与していることが報告されているほか、アトピー性皮膚炎の炎症惹起および皮膚バリア機能の破綻についても関与が示唆されている。同薬は、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害することで、IL-31の生物学的作用を抑制する。2016年9月、マルホ株式会社が皮膚科疾患領域における国内ライセンス契約を締結している。
本試験について、論文の筆頭著者である椛島 健治氏(京都大学大学院医学研究科 皮膚科学教室教授)は、「アトピー性皮膚炎の患者さんは、かゆみによる仕事や学業における集中力の低下や睡眠障害などのQOL低下に苦しんでいる。本試験は、アトピー性皮膚炎の患者さんとその家族の苦しみ、そしてアトピー性皮膚炎がもたらす社会的損失の軽減につながる可能性がある」と述べている。
(ケアネット 鄭 優子)
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