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麻疹のワクチン免疫がうつ病で減弱?

 わが国では、うつ病あるいは双極性障害(BD)で治療を受けている患者が100万人を超えると言われているが、うつ病が幼児期のワクチン接種による免疫原性を損なう可能性については知られていない。今回、米国・Laureate Institute for Brain ResearchのBart N. Ford氏らの研究の結果、青年期または成人期に大うつ病性障害(MDD)を発症した場合、ワクチンによる麻疹免疫が損なわれ、麻疹の感染リスクと重症度を高める可能性が示唆された。Psychological Medicine誌オンライン版2018年3月19日号に掲載。

国内初となるCAR-T細胞医療CTL019を承認申請/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は、2018年4月23日、2つの適応について、キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T細胞医療)であるCTL019(国際一般名:tisagenlecleucel)の再生医療等製品製造販売承認申請を行った。今回の申請は、小児を含む25歳以下のCD19陽性再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)、および成人のCD19陽性再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を対象としている。本申請は日本国内における初めてのCAR-T細胞医療の製造販売承認申請となる。

オラパリブ、BRCA変異陽性乳がんにおける全生存期間の最新データを発表/AACR2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)およびメルク・アンド・カンパニー(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース)は、2018年4月15日、米国がん研究会議年次集会(AACR2018)において、転移を有する乳がんにおけるオラパリブ(商品名:リムパーザ)の最終全生存期間(OS)の結果を示す第III相OlympiAD試験のデータを発表した。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、TMB高レベルNSCLCの1次治療でPFS改善(CheckMate-227)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で発表されたニボルマブとイピリムマブの第Ⅲ相臨床試験CheckMate-227の結果によると、高腫瘍変異負荷(TMB、>10変異/Mb)の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において、標準化学療法と比較して、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法が有意に無再発生存率(PFS)を改善した。

日本人統合失調症患者に対する個別作業療法の多施設ランダム化比較試験

 個別作業療法(IOT:individualized occupational therapy)プログラムは、急性期統合失調症入院患者の積極的な治療参加を促進し、認知機能やその他のアウトカムを改善するために開発された心理社会的プログラムである。このプログラムは、動機付け面接、自己モニタリング、個別訪問、手工芸活動、個別心理教育、退院計画で構成されている。信州大学のTakeshi Shimada氏らは、日本の精神科病院に最近入院した統合失調症患者のアウトカムに対する、集団作業療法(GOT:group occupational therapy)プログラムにIOTを追加した際の効果について、多施設オープンラベル盲検エンドポイントランダム化比較試験を実施し、検討を行った。PLOS ONE誌2018年4月5日号の報告。

2020までに万全な髄膜炎菌感染症対策を

 2018年4月18日、サノフィ株式会社は、4月25日の「世界髄膜炎デー」に先立って、髄膜炎菌感染症診療に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「日本に潜む10代の髄膜炎菌感染症 アウトブレイクのリスク~海外・国内の感染事例と関連学会による対策変更~」をテーマに、髄膜炎菌感染症のオーストラリアでの疫学的状況と公衆衛生当局による対応、日本の置かれた現状と今後求められる備えなどが語られた。

乳がん内分泌療法による脱毛症、AGAと類似

 乳がんの内分泌療法による脱毛症(EIA)は、逸話的な報告が多く系統的な説明がされていない。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAzael Freites-Martinez氏らは、後ろ向きコホート研究を行い、内分泌療法が男性型脱毛症(AGA)と類似したパターンの脱毛症と関連があることを明らかにした。EIAは、起因薬剤の作用メカニズムに合致しており、脱毛の重症度がほとんど軽度であるにもかかわらずQOLは低下していた。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年4月11日号掲載の報告。

不安症状や抑うつ症状と居住地の景観に関する横断的研究

 自然のアウトドアな環境に触れることは、一般的な健康状態の改善と関連しているが、抑うつ症状や不安症状などの特定の精神症状に対する保護的な関連性についてのエビデンスは限られている。スペイン・ポンペウ・ファブラ大学のMireia Gascon氏らは、居住地域において緑色や青色の景観へ長期的に触れることによる、不安、抑うつおよびこれらに関連する薬剤への影響について評価を行った。また、この関連に対する潜在的な仲介因子および効果修飾因子についても検討を行った。Environmental research誌2018年4月号の報告。

オシメルチニブ、EGFR変異陽性肺がんの1次治療にFDA承認

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ)は、2018年4月18日、オシメルチニブ(一般名:タグリッソ)が米国食品医薬品局(FDA)によりEGFR変異(エクソン19欠失型もしくはエクソン21 L858R 置換型変異)を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、FDAから承認を取得したと発表。本承認は、2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次学会において発表されたとともにNew England Journal of Medicineに掲載された第III相FLAURA試験の結果に基づくもの。

抗PD-L1抗体アテゾリズマブ国内発売、肺がん治療に

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として本年1月19日に製造販売承認を取得した抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名テセントリク)について、2018年4月18日薬価収載され販売を開始した。  アテゾリズマブは、腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞に発現するタンパク質であるPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害剤。PD-L1は、T細胞の表面上に見られるPD-1、B7.1の双方と結合しT細胞の働きを阻害する。アテゾリズマブはこの結合を阻害しT細胞の抑制状態を解除することで、T細胞による腫瘍細胞への攻撃を促進すると考えられている。

アルコール依存症患者における不眠症に関するメタ解析

 アルコール依存症患者における不眠症の有病率は、36~91%であり、アルコール離脱後も持続する可能性がある。禁酒患者の不眠症を、アカンプロサートが減少させることが示唆されている。フランス・モンペリエ大学のPascal Perney氏らは、アカンプロサートは実際に不眠症を軽減させるのか、そしてその作用機序をより理解するため、大規模臨床試験データベースを用いて有効性の評価を行った。Alcohol and alcoholism誌オンライン版2018年3月30日号の報告。

アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower-150の主要なサブグループの解析結果が発表され、非扁平上皮非小細胞肺がん(NCSLC)の1次治療において、アテゾリズマブの化学療法への追加によって、PD-L1発現、EGFR、ALKステータスに関わらないPFSの改善が示された。

全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

蜂蜜は小児の急性咳嗽に効くのか?

 小児の咳症状は、外来受診の理由となることが多い。蜂蜜は、小児の咳症状を和らげるために、家庭で一般的に用いられている。University of Calabar Teaching HospitalのOlabisi Oduwole氏らは、小児の急性咳嗽に対する蜂蜜の有効性を評価するためにシステマティックレビューを実施し、2018年4月10日、Cochrane Database of Systematic Reviewsに公開した。本レビューは、2010、2012、2014年に続く更新。本レビューの結果、蜂蜜は、無治療、ジフェンヒドラミン、プラセボと比較して、咳症状を多くの面で軽減するが、デキストロメトルファンとはほとんど差がない可能性が示唆された。また、咳の持続時間についてはサルブタモール、プラセボより短縮する可能性はあるが、蜂蜜使用の優劣を証明する強固なエビデンスは認められなかったと結論している。

重症喘息患者に期待の新薬発売

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年4月18日、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とした、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤ベンラリズマブ(商品名:ファセンラ皮下注30mgシリンジ)を発売した。

EGFR変異肺がんオシメルチニブ1次治療の病勢進行後アウトカム(FLAURA)/ELCC2018

 アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、CEO:パスカル・ソリオ)は2018年4月13日、EGFR変異陽性、局所進行あるいは転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療におけるオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の有効性および安全性を検討した第III相国際共同FLAURA試験の探索的解析として、病勢進行後の新たなアウトカムを発表した。

慢性不眠症患者におけるバイオレットオイルの有効性に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験

 バイオレットオイルは、昔ながらのイランの診療所において、不眠症を治療するため広く用いられてきた古典的なハーブ薬である。バイオレットオイルは、アーモンドまたはゴマ油をベースとするニオイスミレ(Viola odorata)の抽出物であり、点鼻薬として用いられる。イラン・マシュハド医科大学のZohre Feyzabadi氏らは、不眠症治療におけるバイオレットオイルの有効性を評価するため、検討を行った。Journal of ethnopharmacology誌2018年3月25日号の報告。