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治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究

 うつ病の治療では、しばしばその後の介入が必要となる。抗うつ薬治療により寛解が得られない患者は、治療抵抗性うつ病(TRD:treatment-resistant depression)といわれる。どのような患者がTRDを発症するか予測することは、医療従事者がより効果的な治療を決定するうえで重要である。米国・ヤンセン・リサーチ&ディベロップメントのM. Soledad Cepeda氏らは、医療保険データベースを用いて、実臨床におけるTRDの予測因子の特定を試みた。Depression and anxiety誌オンライン版2018年5月22日号の報告。

1日1回の牛乳摂取がサルコペニア予防に有効か~鳩山/草津コホート研究

 毎日普通乳を飲む習慣が、高齢者におけるサルコペニアの予防につながる可能性が示唆された。東京都健康長寿医療センター研究所の成田 美紀氏らが、日本の地域在宅高齢者を対象に、牛乳の摂取頻度とサルコペニアの有無との関連を検討したコホート研究により明らかにしたもの。第60回日本老年医学会学術集会(2018年6月14日~16日)において発表された。

オゼノキサシン1%クリーム、膿痂疹に有効

 オゼノキサシンは、グラム陽性菌への強い殺菌的な抗菌作用を示す新規局所抗菌薬で、接触感染で広まる皮膚の細菌感染症である膿痂疹に対する治療薬として、1%クリーム剤が開発された。米国・ベイラー医科大学のTheodore Rosen氏らは、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、オゼノキサシン1%クリームが生後2ヵ月以上の膿痂疹患者に有効で、安全性と忍容性も良好であることを報告した。著者は、「オゼノキサシンクリームによる治療は、膿痂疹の新しい治療の選択肢となる」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年6月13日号掲載の報告。

前立腺全摘除術で知っておきたい合併症

 2018年6月13日、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社は、「男性の尿漏れに対する先進的な治療法 尿漏れ手術『人工尿道括約筋植込術』~前立腺がん治療後の尿漏れ患者約10,000人のQOLに貢献~」をテーマに、3名の演者(国立がん研究センター 増田 均氏/東北医科薬科大学 海法 康裕氏/原三信病院 武井 実根雄氏)を迎え、都内でセミナーを開催した。本稿では、その概要を紹介する。

医薬教育倫理協会(AMEE)が提案する新時代の医師継続教育

 医薬教育倫理協会(AMEE: Association of Medical Education and Ethics)が「AMEE医学継続教育プログラム」と銘打ったネット番組の配信を開始した。AMEEは2016年7月に設立された一般社団法人で、設立の目的は、医療倫理に基づき、高度な医学・薬学の継続教育を医師・薬剤師に提供することを通じて、医療の向上と国民の健康増進に寄与すること。AMEEの代表理事を務める、帝京大学臨床研究センター センター長 寺本 民生氏に、AMEEが推進する新しい医師継続教育について話を聞いた。

新たな点眼薬、アデノウイルス結膜炎に効果

 急性アデノウイルス結膜炎に対する、ポビドンヨード(PVP-I)0.6%/デキサメタゾン0.1%懸濁性点眼液の有効性および安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(第II相臨床試験)が行われ、米国・セントルイス・ワシントン大学のJay S. Pepose氏らが結果を報告した。PVP-I/デキサメタゾンは安全性および忍容性が良好で、プラセボと比較し臨床的寛解率およびアデノウイルス除去率を有意に改善することが認められたという。American Journal of Ophthalmology誌2018年オンライン版5月19日号掲載の報告。

抗精神病薬治療6週間以上の統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関係

 横断的および縦断的研究により、統合失調症における、広範な灰白質量(GMV)の減少(とくに前頭葉)が報告されている。中国・北京大学第6病院のXiao Zhang氏らは、統合失調症患者における灰白質の変化と臨床的改善との関連について検討を行った。Neuroscience bulletin誌オンライン版2018年5月19日号の報告。

全年齢で注意!「熱中症」の怖さ…死亡や後遺症も高率

 2000~16年に発表された熱中症関連文献のレビューによると、熱中症90例のうち、約2割が死亡、約2割が長期の神経学的後遺症を患っていたことが、オーストラリア・Royal Adelaide HospitalのEmily M. Lawton氏らによる調査で明らかになった。また、神経学的障害のある患者の7割以上が長期の小脳機能障害を有しており、小脳構造が熱に弱いことが示唆された。さらに、永久的神経学的障害を認めた症例の多くが若くて健康だったことから、著者らは、「年齢や合併症に関係なく、熱中症の予防および治療に積極的な介入が必要である」と強調した。Emergency medicine Australasia誌オンライン版2018年5月31日号の報告。

医療従事者へのインフル予防接種の効果は

 インフルエンザ予防接種は、医療従事者におけるインフルエンザ感染予防、スタッフや患者へ伝染防止のための一般的な介入である。長崎大学の今井 智里氏らは、医療従事者間の季節性インフルエンザ予防接種の疫学的および経済的な有効性の最新のエビデンスを統合するため、系統的レビューとプール解析を行った。その結果、インフルエンザワクチンが感染症発症減少と欠勤期間短縮に効果があることが示された。PLOS ONE誌2018年6月7日号に掲載。

dacomitinib、EGFR変異肺がん1次治療でOS延長(ARCHER1050)/ASCO2018

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療で、第2世代EGFR-TKI dacomitinibとゲフィチニブを比較した、第III相無作為化オープンラベル試験ARCHER1050最終成績を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で、香港中文大学のTony Mok氏が発表した。ASCO2017で発表された同試験の無増悪生存期間(PFS)解析では、dacomitinnib群14.7ヵ月に対し、ゲフィチニブ群9.2ヵ月と、dacomitinnib群で有意に良好な結果を示した(HR=0.59、p<0.0001)。ASCO2018では、全生存期間(OS)結果の発表で、追跡期間中央値は31.3ヵ月。

がん免疫療法の効果に男女差はあるのか

 これまでに、免疫系の応答には男女差があるという報告があるが、性別が免疫チェックポイント阻害薬の有効性に及ぼす影響については、ほとんど知られていない。今回、イタリア・European Institute of OncologyのFabio Conforti氏らは、免疫チェックポイント阻害薬の、男女間における効果の不均一性を評価するために、システマティックレビューとメタ分析を行った。結果、免疫チェックポイント阻害薬は、悪性黒色腫および非小細胞肺がんなどの進行がん患者の全生存期間を延長するが、効果の大きさは性別に依存することが明らかになった。Lancet Oncology誌2018年6月号に掲載。

若者の約4割がネット依存…精神症状との関連は?:日本の大学生

 日本の大学生の約4割は、インターネットによって生活に問題がもたらされているという研究結果が、慶應義塾大学の北沢 桃子氏らによって報告された。筆者らは、その予測要因として、女性であること、年齢が高いこと、睡眠不足、ADHD傾向、うつ病、不安傾向が挙げられるとした。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2018年4月13日号に掲載。