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認知症患者、PPIで肺炎リスクが9割上昇

 台湾・中山医学大学のSai-Wai Ho氏らの後ろ向きコホート研究により、認知症患者においてプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により肺炎発症リスクが89%上昇したことが報告された。Journal of the American Geriatrics Society誌2017年7月号に掲載。  著者らは、台湾国民健康保険研究データベースを用いて、新規にPPIを使用した認知症患者786例およびこれらの患者とマッチさせた PPI使用のない認知症患者786例について肺炎の発症を調べた。肺炎リスクはCox比例ハザードモデルを用いて推定し、defined daily dosage(DDD:成人の想定平均1日用量)を用いて、PPIの累積用量-反応関係を評価した。

緑内障の急速視野損失を家庭モニタリングで早期検出

 昨今の電子技術の進展で、中心視野感度を携帯機器を用いて家庭でモニターすることが可能となっている。オーストラリア・メルボルン大学のAndrew J. Anderson氏らは、家庭モニタリングが緑内障による急速視野損失の早期検出に有用かどうかを調べるため、コンピュータシミュレーションによる検討を行った。その結果、利用コンプライアンスが完全ではなくとも、家庭モニタリングの活用により、急速な視野損失の進行を検出可能なことを明らかにした。著者は、「残された課題は、そのようなアプローチの費用対効果を実証することである」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年7月29日号掲載の報告。

早期改善が最も期待できる抗うつ薬は

 抗うつ薬治療の最初の2週間でうつ症状を早期に改善することは、うつ病患者のその後の良好な治療アウトカムを予測するレジリエンスシグナルであるといわれている。しかし、早期改善の予測値は研究間で異なっており、異なる抗うつ薬の使用が影響している可能性がある。ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのStefanie Wagner氏らは、うつ病患者における将来の治療反応や寛解に対する早期改善の予測値を評価し、早期改善の可能性が最も高い抗うつ薬を特定するため検討を行った。Journal of psychiatric research誌オンライン版2017年7月4日号の報告。

乳がん術後リンパ浮腫、弾性スリーブによる発症予防効果が明らかに

 乳がん関連リンパ浮腫(BCRL)は、手術後の大きな長期合併症の1つである。BCRLにおける圧縮治療の有効性については数多く報告があるが、圧縮衣服の術後予防を評価する無作為化比較試験はない。そこで、ポーランドSt. Lazarus Hospice のKatarzyna Ochalekらにより、術後の腫脹および乳がんに関連する腕リンパ浮腫の発生率を低下における軽度弾性スリーブの潜在的役割を評価することを目的とした研究が行われた。

PDE5阻害薬で皮膚がんリスク増大か

 ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬とメラノーマとの関連が議論の的となっているが、米国・インディアナ大学のHuilin Tang氏らは、観察研究のメタ解析を行い、PDE5阻害薬の使用がメラノーマおよび基底細胞がんの発症リスク増加とわずかだが有意に関連していることを明らかにした。なお、結果について著者は、「潜在的な交絡因子のコントロールが一貫していない、異質性のある観察研究のみが解析対象となっていることに、研究の限界がある」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年7月17日号掲載の報告。

抗精神病薬に関する知識は治療効果に影響するか:慶應義塾大

 統合失調症患者における、処方された抗精神病薬の知識について、データは非常に限られている。また、処方された抗精神病薬に関する患者の知識が、服薬アドヒアランスに及ぼす影響についてはよくわかっていない。慶應義塾大学の長井 信弘氏らは、これらの関連について検討を行った。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2017年7月4日号の報告。

第4回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同大学院未来がん医療プロフェッショナル養成プラン、同大学院臨床腫瘍学分野、同大学院応用腫瘍学講座は、2017年10月1日(日)に、第4回「がんを考える」市民公開講座を開催する。本講座は、同院が地域がん診療連携拠点病院の活動の一環として、がんに関するさまざまなテーマで開催する公開講座の4回目となる。今回は『正しく知ろう!「化学療法」』をテーマに、化学療法の目的と効果、さまざまなサポートについて広く知ってもらうための内容となっており、各種ブース展示や体験コーナーなど、楽しく学べる企画が多数予定されている。

ニボルマブ、MSI-H転移性大腸がんに承認/FDA

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2017年8月1日、米国食品医薬品局(FDA)が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん(mCRC)の成人および小児(12歳以上)患者の治療薬として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)を承認したことを発表した。この適応は、奏効率(ORR)および奏効期間に基づき、迅速承認された。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載すること。推奨用量は240mgで、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2週間ごとに60分以上かけて静脈内投与する。

乳がん関連リンパ浮腫リスクに影響する因子

 乳がん治療関連リンパ浮腫(breast cancer-related lymphedema:BCRL)は、乳がん治療中の女性にとって重大な合併症である。米国・メイヨークリニックのToan T. Nguyen氏らが大規模集団コホート研究でBCRL発症とリスク因子を調べたところ、化学療法、放射線療法、腋窩リンパ節郭清(ALND)、進行したStage、高いBMIの因子を持つ患者でBCRL発症率がより高いことがわかった。BCRLは多様な治療による後遺症であり、リスク因子も多様であることが示唆された。Annals of surgical oncology誌オンライン版2017年8月1日号に掲載。

整形内科が診る腰痛、肩こり、五十肩

 2017年7月2日、コニカミノルタジャパン株式会社 ヘルスケアカンパニーは、都内において白石 吉彦氏(島根県 隠岐島前病院 院長)を講師に迎え、「外来超音波診療-腰痛 肩こり 五十肩のみかた-」をテーマに医師向けのセミナーを開催した。当日は、全国から100名近い医師が参加した。セミナーでは、事前アンケートで要望の多かった「腰痛、肩こり、五十肩」の3つに焦点をあて、動作分析による発痛源検索、超音波検査(以下「エコー」)を使用した圧痛点の確認方法、エコーでの筋肉同定、エコーガイド下注射の手技、針先描出などが説明された。

認知症の根治療法研究、どの程度進んでいるか

 認知症の根治療法(disease modifying)は存在しない。また、認知症の根治療法アウトカムのコンセンサスも得られていない。英国・ロンドン大学のLucy Webster氏らは、軽度から中等度の認知症における根治療法研究の中核アウトカム測定に関する最初のエビデンスベースコンセンサスの作成を行った。PLOS ONE誌2017年6月29日号の報告。

米国成人のドライアイ有病率は約7%

 米国では、1,600万人超の成人がドライアイと推定されると、米国・Shire社のKimberly F. Farrand氏らが、地域住民を対象とした横断研究の結果を報告した。ドライアイの有病率は、男性より女性で高く、年齢とともに増加することも示された。また、著者は「18~34歳の若年者でもドライアイがみられることに注目すべきである」と述べている。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年7月10日号掲載の報告。

durvalumab、切除不能StageIII肺がんのブレークスルー・セラピーに指定

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot)およびその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年7月31日、米国食品医薬品局(FDA)が白金製剤を用いた根治的同時化学放射線療法後に進行が認められなかった局所進行切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療薬としてdurvalumabをブレークスルー・セラピーに指定したことを発表した。

高齢糖尿病患者の降圧薬アドヒアランスと効果の関連

 米国Kaiser Permanente Institute for Health ResearchのMarsha A. Raebel氏らによる約13万例の高齢糖尿病患者の後ろ向きコホート研究で、85歳以上もしくは複数の併存疾患を持つ糖尿病患者では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体遮断薬(ACEI/ARB)の服薬アドヒアランスと血圧低下が関連しないことが示された。一方、スタチンのアドヒアランスはLDLコレステロール(LDL-C)の低下と関連していた。Pharmacotherapy誌オンライン版2017年7月28日号に掲載。

双極性障害に対する抗うつ薬治療、その是非は

 双極性障害(BD)患者に対する抗うつ薬の長期使用の有効性および安全性は、依然として議論の余地が残っている。中国・the Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのBangshan Liu氏らは、BD患者の長期抗うつ薬使用の有効性と安全性を調査したランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年7月11日号の報告。

BMSと国立がん研究センター、希少がん対象の共同研究契約を締結

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、理事長:中釜 斉、以下、国立がん研究センター)と、希少がんの研究開発およびゲノム医療を推進する産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト」に関する共同研究契約を締結した。