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未治療小児患者への抗精神病薬投与、その影響は

 未治療の小児および未成年者における抗精神病薬の神経学的有害事象への影響について調べた結果、リスペリドンはジスキネジアおよびパーキンソニズムの出現リスクが高いこと、一方でクエチアピンは神経学的有害事象が少ない抗精神病薬であることが明らかにされた。スペインのマドリード・コンプルテンセ大学のMargarita Garcia-Amador氏らが、平均年齢14.4歳の265例について調べ報告した。また、遅発性ジスキネジアリスク増について、低年齢、精神疾患、治療が予測因子であることも報告した。結果を踏まえて著者らは、「抗精神病薬は、未治療および未治療に類する小児集団の神経学的有害事象を増加する。慎重にモニタリングする必要がある」と述べている。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年12月号の掲載報告。

第1回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同大学院がんプロフェッショナル養成基盤推進プランは、2016年1月24日(日)に、「がんを考える」市民公開講座を開催する。本講座は、地域がん診療連携拠点病院となった同院の活動の一環として行う、がんに関するさまざまなテーマの公開講座の初の試み。第1回は、がん種を問わず、がんと診断された患者・家族の生活に、明日から役立つ情報の提供を目指した内容になっている。見て、触って、理解が深まるブース展示も多数予定している。

統合失調症では認知症リスクが増加

 統合失調症患者では認知症の相対リスクが著明に増加することが、デンマーク・オーフス大学のAnette Riisgaard Ribe氏らによる、デンマークの全国登録を用いた大規模コホート研究の結果、示された。そのリスク増加は、既知の認知症危険因子とは独立しており、とくに65歳未満の統合失調症患者で認知症リスクが高かったという。統合失調症は、加齢に伴う疾患や認知障害と関連しているが、統合失調症がない場合と比べて認知症になるリスクが高いかどうかは不明であった。JAMA Psychiatry誌2015年11月1日号の掲載報告。

重度うつ病、抗うつ効果の即効性を上げる方法

 経口抗うつ薬は数週間後に効果が現れるのに対し、ケタミン単回静脈内投与(静注)は効果の持続期間は限られているものの迅速な抗うつ効果を発揮する。中国・首都医科大学のY.D.Hu氏らは、4週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行い、エスシタロプラム+ケタミン単回静注増強療法が重度の大うつ病性障害(MDD)に対して有効かつ安全であることを明らかにした。著者は、「エスシタロプラム+ケタミン単回静注増強療法は、経口抗うつ薬治療の効果発現を早める可能性がある」とまとめている。Psychological Medicine誌オンライン版2015年10月19日号の掲載報告。

治療薬は「痛み」の種類で変わる

 ファイザー株式会社とエーザイ株式会社は、12月1日に都内において「いまさら聞けない痛み止め薬の基礎知識」をテーマに、プレスセミナーを共催した。セミナーでは、ファイザー社が行ったアンケート調査「痛み止め薬の使用実態と患者意識に関する全国調査」を織り交ぜ、加藤 実氏(日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授)が慢性痛とその治療の概要をレクチャーした。

重症うつ病の寛解率、治療法により違いがあるか

 ベースラインのうつ病重症度は、認知行動療法(CBT)と抗うつ薬による薬物療法(ADM)間の重症度や治療反応率、寛解率の差に影響しないことが示された。オランダ・アムステルダム自由大学のErica S. Weitz氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。現行ガイドラインにおいて、重度のうつ病には薬物療法が推奨されているが、著者らは、「今回の結果は、外来患者にADMを推奨するにあたってベースラインの重症度のみでは、データが不十分であることを示している。他の薬物療法あるいは個々の抗うつ薬や入院患者にそのまま当てはめることはできないが、新しくかつ重大なエビデンスである」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2015年11月1日号の掲載報告。

新規インテグリン拮抗薬、ドライアイ症状を有意に改善

 lifitegrastは、ドライアイに関与するT細胞を介した炎症を抑制するインテグリン拮抗薬である。米国・Tauber Eye CenterのJoseph Tauber氏らによる12週間の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験(OPUS-2試験)の結果、lifitegrastはドライアイ症状を有意に改善し、主要評価項目を達成した。ただし、もう1つの主要評価項目である角膜下側染色スコアについては有意な改善を認めなかった。

統合失調症へのヨガ補助療法、その有用性は

 インドを発祥とするヨガは古くからある精神修行であるが、現在では西洋でもリラクゼーションおよびエクササイズの1つの形態として受け入れられている。そうした中で、統合失調症患者に対する標準治療の補助療法としての有効性の評価が注目されている。アイルランドのセント・ジェームス病院Julie Broderick氏らは、統合失調症患者に対するヨガの補助療法としての有効性について検討した。検索により統合失調症患者を対象とし、ヨガと標準治療の比較を行っている8件の無作為化対照試験(RCT)をレビューした結果、限定的なサンプルサイズと6ヵ月以下の短期アウトカムではあったが、ヨガ群で良好な結果が示されたことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年10月21日号の掲載報告。

ランナーにおける腸脛靱帯症候群のバイオメカニクス

 ランニング障害で2番目に多いのが腸脛靱帯症候群である。この10年、徐々に発生頻度が増加してきており注目されている。最後のシステマティックレビュー以降、さらに6報の論文が発表された。南アフリカ・ステレンボッシュ大学のJodi Aderem氏らは最新のシステマティックレビューを行い、ランナーの腸脛靱帯症候群に関連する体幹、骨盤および下肢のバイオメカニクス的なリスク因子を明らかにした。

アレルギー性鼻炎を改善へ、世界初の舌下錠登場

 シオノギ製薬株式会社は、11月26日都内にて、世界初の舌下錠タイプのダニアレルゲン免疫療法薬「アシテア」の発売を記念し、岡本 美孝氏(千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 教授)を講師に迎え、「患者さんのQOL向上をサポートするアレルギー性鼻炎治療」をテーマにプレス向けの説明会を行った。

チェリージュースで認知機能が改善

 アントシアニンを含む食物フラボノイドは、認知機能に良い影響をもたらし、認知症の予防や治療に有益な可能性があるといわれている。オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatherine Kent氏らは、認知症高齢者を対象に、アントシアニンが豊富なチェリージュースを毎日摂取することが、認知機能の変化に影響を及ぼすかを検討した。また、血圧および抗炎症効果を、副次的アウトカムとして評価した。European journal of nutrition誌オンライン版2015年10月19日号の報告。

期待のがん悪液質治療薬ONO-7643、第II相試験の結果は?

 がん悪液質はがん患者の70%に発現し、とくに進行非小細胞肺がん患者で多く認められる。がん悪液質は複合的な代謝疾患であり、食欲不振および筋肉減少を主体とした体重減少を特徴とし、がん患者のQOLおよび予後を悪化させる。さらに進行すると難治性悪液質となり、PS不良や治療抵抗性を示し、生命予後3ヵ月未満と非常に重篤な状態になる。しかしながら、現在は有効な治療方法が存在しない。

非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

 先行研究で、小胞体の4つのタンパク質複合体(ステロール調節配列結合タンパク[SREBP]、SREBP-cleavage-activating protein[SCAP]、インスリン誘導遺伝子[INSIG]、プロゲステロン受容体膜成分-1[PGRMC1])が、非定型抗精神病薬による脂質異常の重要な調節因子であることが示唆されている。今回、中国・中南大学湘雅二医院のHua-Lin Cai氏らは、ラットの肝臓を用い、定型および非定型抗精神病薬ならびにグルココルチコイド受容体拮抗薬mifepristoneの、PGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路に対する作用および脂質への影響を調べた。その結果、非定型抗精神病薬による脂質異常は、体重増加が出現する前の初期段階で生じる可能性があることが示唆されたという。結果を踏まえ、著者らは「非定型抗精神病薬による脂質異常は、PGRMC1経路を増強するmifepristoneの追加投与により改善できる可能性があることを示すもので、PGRMC1/INSIG-2シグナル伝達が非定型抗精神病薬による体重増加治療のターゲットになりうる」と報告している。Translational Psychiatry誌2015年10月20日号の掲載報告。

扁平上皮NSCLCの1次治療に新たなプラチナ・ダブレット

 扁平上皮がんは肺がんの20~30%にみられる。しかし、進化著しい非扁平上皮がんの治療に比べて、扁平上皮がん治療の進歩は遅れている。こうした中、2015年11月26日から開催された第56回日本肺癌学会プレナリーセッションにおいて、名古屋医療センターの坂 英雄氏が、扁平上皮NSCLC1次治療の新たな選択肢としてネダプラチン併用レジメンの有用性を検討したWJOG5208L試験の結果を報告した。

アルツハイマー病へのBZD、使用頻度の追跡調査

 ベンゾジアゼピンおよび関連する薬剤(BZDR)は、アルツハイマー病(AD)の特定の症状を治療するために用いられることがある。しかし、高齢者ではBZDR使用に関連するリスクが高くなる。ADに対するBZDR使用についての報告はしばしばあるが、先行研究は、ADに対するBZDR使用の頻度に焦点を当てたものではなかった。東フィンランド大学のLaura Saarelainen氏らは、ADの有無別にBZDRの使用頻度について、5年間の追跡調査を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2015年10月17日号の報告。