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二重HER2阻害療法によるネオアジュバント、HER2-enrichedがpCR予測因子

 乳がんは4つの固有分子サブタイプに分類され(luminal A、luminal B、HER2-enriched、basal-like)、HER2-enriched タイプは最も高いEGFR-HER2経路の活性を持つ。スペイン・Arnau de Vilanova大学病院のAntonio Llombart- Cussac氏らによる、HER2陽性早期乳がん患者を対象とした多施設臨床試験の結果、HER2-enrichedが二重HER2阻害療法(化学療法の併用なし)の効果予測因子となる可能性が明らかになった。Lancet Oncology誌オンライン版2017年2月23日号掲載の報告。

日本における急性心筋梗塞のDoor to Balloon Time、90分を切るためには

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の管理において、90分以内のDoor to Balloon Time(DTBT)は重要な指標となるが、とくに米国や欧州以外の国では、多くの患者がこの目標を達成していない。慶應義塾大学の池村 修寛氏らは、国内の現状とDTBT遅延の予測因子について分析を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月23日号の報告。

「3大がん」死亡リスクが高い職業は?:日本人男性

 肺がん・胃がん・大腸がんは、日本人男性におけるがん関連死亡原因のトップ3となっている。北里大学の江口 尚氏らは、これらの3大がんによる死亡リスクが高い職業および産業を特定することが、健康に関する社会的マーカーを解明するための第一歩であると仮定し、調査を行った。Scientific Reports誌2017年2月23日号の報告。

白斑と甲状腺がんは有意に関連:韓国の住民ベース研究

 白斑は、自己免疫性甲状腺疾患および甲状腺がんと有意に関連していることが、韓国・カトリック大学校のJung Min Bae氏らによる、国民健康保険支払データベースを用いた調査研究の結果、報告された。これまでにも繰り返し白斑と甲状腺疾患の関連については報告があるが、今回研究グループは、全国的な住民ベース研究にて両者の関連について調査を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年2月23日号掲載の報告。

うつ病スクリーニングがたった2つの質問で可能

 高齢者に対するうつ病のスクリーニングは推奨されている。中国・香港中文大学のKelvin K F Tsoi氏らは、高齢者における2項目スクリーン(Two-Question Screen)の診断精度を評価し、ほかのうつ病スクリーニング法と比較した。2項目スクリーンの質問項目は、「過去1ヵ月間で、気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分、絶望的な気分になりましたか」および「過去1ヵ月間で、しばしば小さなことに悩まされたり、何をしても楽しくないと感じますか」である。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年2月16日号の報告。

インスリン療法の脱落理由、日本人における特徴は?

 日本の糖尿病患者と医師が認識しているインスリン療法の障壁を調査するために、京都大学の原島 伸一氏らは、8ヵ国が参加したGlobal Attitude of Patients and Physicians in Insulin Therapy(GAPP)スタディのサブ解析を実施した。その結果、インスリン療法を受けている日本人患者の多くが、おそらく低血糖への恐れやライフスタイルのために脱落する、もしくは治療を順守しないことがわかった。著者らは「患者のライフスタイルを妨げず、低血糖リスクを減少させるインスリン療法が必要」としている。Expert opinion on pharmacotherapy誌2017年1月号に掲載。

FXa阻害剤の抗炎症作用:日本のNVAF患者

 非弁膜症性心房細動(NVAF)例に対する第Xa因子(FXa)阻害剤の投与は、血液凝固マーカーだけでなく、血管炎症マーカーであるペントラキシン3(PTX3)も改善させることが、横浜栄共済病院の加藤 大雅氏らによる研究で明らかになった。これらのマーカーの変化が将来の心血管イベントリスクの低下と関連するかどうかを評価するためには、さらに大規模な前向き研究が必要である。Heart and vessels誌オンライン版2017年3月10日号の報告。

テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

 2015年3月18日、2人の武装勢力がチュニジア・チュニスのバルド国立博物館を襲撃し、23人の外国人観光客が犠牲となった。チュニジア・University of Tunis El ManarのFeten Fekih-Romdhane氏らは、人口統計学的要因および社会的支援に関連した、襲撃4~6週間後の博物館勤務者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)とうつ症状を評価し、PTSDとうつ症状の決定要因および予測因子を分析した。Community mental health journal誌オンライン版2017年2月7日号の報告。

僧帽弁閉鎖不全へのMitraClip、日本できわめて良好な初期成績~日本循環器学会

 重度の僧帽弁不全症(MR)への新たな治療法として期待されている新規デバイスMitraClip(アボットバスキュラージャパン社)の有効性と安全性に関する30日結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本試験には全国6施設における、中等度~重度(3+)もしくは重度(4+)の閉鎖不全症(DMR)、または、機能性僧房弁閉鎖不全症(FMR)で、LVEF≧30%、STSスコア≧8%の外科的手術が難しい患者が参加した。クリップでの処置が不適な病変を有する患者や予後が1年未満である患者などは除外された。被験者の平均年齢は80歳超であり、平均STSスコアが約10%の高リスクな層であった。

自殺企図後も生き続けるためのプロセス

 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。

質の高い論文はここが違う~日本の無作為化比較試験

 読む価値のある論文を、アブストラクトで効率よくスクリーニングすることはできないだろうか。東京大学の米岡 大輔氏らが、どのような文章が質の高い無作為化比較試験(RCT)の指標となるのかを調べるために、日本のRCTの論文を評価したところ、質の高いRCTと質の低いRCTではアブストラクトの文章の特徴にいくつかの有意な差があることがわかった。著者らは、この結果がrisk-of-bias tool の代わりに、価値のある論文をすばやくスクリーニングする新たな判断基準として使用できるとしている。PLOS ONE誌2017年3月9日号に掲載。

MRI対応の新型S-ICD、AFモニタリング機能も:ボストン・サイエンティフィック

 現在日本では、1年間に約7万6,000人が心臓突然死により命を落としているといわれている。その心臓突然死に対する治療方法の1つとして植込み型除細動器(ICD)治療が存在する。ICD患者の半数以上が10年以内にMRI検査と推察されているが、心血管系の埋め込みデバイス患者へのMRI施行は長年にわたり禁忌である。このMRI検査とICD装着患者の安全性については議論が繰り広げられ、本サイトでもいくつかの記事が取り上げられている。

増殖性硝子体網膜症へのデキサメタゾンの有用性

 徐放性デキサメタゾン硝子体内インプラントは、増殖性硝子体網膜症(PVR)の硝子体手術後のアウトカムを改善するのか。英国・Moorfields Eye HospitalのPhilip J Banerjee氏らによる140例を対象とした前向き無作為化試験の結果、主要評価項目とした解剖学的改善を示した患者割合は、標準ケア群と同程度で有意差は示されなかった。試験結果を踏まえて著者は、「さらなる臨床試験によって解剖学的および視覚的アウトカムの改善が示唆されている。一方で、今回の試験では徐放性デキサメタゾン投与を受けた手術眼では、6ヵ月時点で嚢胞様黄斑浮腫(CMO)がより少なかったことが示された」としている。Ophthalmology誌オンライン版2017年2月22日号掲載の報告。

抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

 高プロラクチン血症は、抗精神病薬により問題となる副作用の1つである。これまで、高プロラクチン血症に関する第2世代抗精神病薬間での直接比較を行った臨床事例はほとんどない。スペイン・カンタブリア大学のBenedicto Crespo-Facorro氏らは、プロラクチンへの影響が少ないといわれている第2世代抗精神病薬の種類によりプロラクチンレベルに違いがあるか、それは性別により影響を受ける可能性があるかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月17日号の報告。