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高コレステロール血症治療に新風 国内初のPCSK9 阻害薬「エボロクマブ」承認

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:高橋栄一)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中好彦)は、アステラス・アムジェン・バイオファーマが2016年1月22 日、高コレステロール血症治療薬エボロクマブ(遺伝子組換え)(商品名:レパーサ皮下注)について、厚生労働省より製造販売承認を取得した旨発表した。

ニンニク油、潰瘍性大腸炎の保護薬として有望か

 ニンニク油(GO)は、ラットにおいてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎を抑制し、その効果は抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用による可能性があることを、エジプト・タンタ大学のMohamed Balaha氏らが報告した。結果を踏まえて、著者らは、「GOが、潰瘍性大腸炎患者に推奨される有望な保護剤になりうる」とまとめている。Life Sciences誌オンライン版2016年1月9日号掲載の報告。

術後の栄養管理、診療科ごとの傾向と課題は?

 術後の栄養管理は、患者の回復に大きな影響を及ぼす。2010年より「栄養サポートチーム加算 200点(週1回)」の算定が可能となり、さまざまな病院で栄養サポートチーム(Nutrition Support Team、以下NST)の活動をはじめとした栄養管理に対する関心がますます高まっている。  そこで、今回は稲葉 毅氏(帝京大学医学部附属病院 外科)らによる、NSTなどの活動を通じて明らかになった各診療科の栄養管理における傾向と課題、さらにNSTの関わり方を考察した論文「外科系病棟の栄養管理 ―診療科による栄養管理の相違―」を紹介する。

女はビタミンB6、男はビタミンB12でうつリスク低下か

 カナダの聖フランシスコ・ザビエル大学のL Gougeon氏らは、地域在住の健康な高齢男女について、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12の摂取量と3年間のうつ病発症率との関連を調べた。その結果、食物からのビタミンB6摂取量が多い女性とビタミンB12摂取量が多い男性は、うつ病の発症リスクが低いことを報告した。European Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2015年12月9日号の掲載報告。

アスピリンの抗うつ効果をラットで確認

 ヒトのみならず実験モデルにおいても、炎症性メディエーターがうつ病の一因となることが数多くの研究で示唆されている。しかし、抗炎症薬による治療がうつ病を予防できるかどうかは議論の余地があることから、インド・L. J. Institute of Pharmacy(LJIP)のShailendra Bhatt氏らは、慢性軽度ストレス(CMS)モデルラットを用いた実験を行った。その結果、アスピリンの単独または抗うつ薬との併用投与はいずれも、うつ病治療に役立つ可能性が示唆されたという。著者らは、「ストレス負荷または他の生理・生化学的機序において、炎症性メディエーターの阻害は抗うつ効果に関与している可能性がある」とまとめている。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2015年12月8日号の掲載報告。

学校でのADHD児ペアレンティング介入の実現性は

 英国・ノッティンガム大学のJohn A. Taylor氏らは、重度の注意欠如・多動症(ADHD)症状を抱える子供たちの親や教師のための、学校をベースとしたペアレンティング介入プログラムの実現性と受容性を検討する目的で、質的なプロセスを評価する実践的クラスター無作為化比較試験を実施した。その結果、学校内もしくは学校周辺でのペアレンティングプログラムは実施可能で受容性があることが示唆された。著者らは、今回の結果が、学校環境におけるペアレンティングプログラムへの参加を促すためのサービス提供や今後の研究に役立つとする一方で、「プログラムの継続率は高いが、参加者の募集が難しく、介入を最も必要としている親にプログラムを届けることが今後の課題」と述べている。BMC Psychiatry誌2015年11月17日号の掲載報告。

ソフトコンタクトレンズトラブルへの角膜再生医療、予後良好

 ソフトコンタクトレンズの長期装用により、角膜輪部に存在する角膜上皮幹細胞が消失する角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)を来すことがある。カナダ・University of Toronto Medical SchoolのCarl Shen氏らは、こうした患者に対する角膜上皮幹細胞(角膜輪部)移植の予後を後ろ向きに調査し、本移植術は若年のhealthy patients(健康な患者)におけるLSCD治療の有力な選択肢であることを明らかにした。

SSRIなどで効果不十分なうつ病患者、新規抗うつ薬切り替えを検証

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)の効果が不十分な大うつ病性障害(MDD)患者に対し、vortioxetineは他の抗うつ薬に比べて高い寛解率を示し、忍容性も良好であることを、フランス・Lundbeck SASのMelanie Brignonea氏らが検討の結果、報告した。結果を踏まえて著者らは、「vortioxetineが代替薬として妥当であることが示唆された」とまとめている。Current Medical Research and Opinion誌2016年2月号掲載の報告。

ウオノメ治療の長期効果、サリチル酸絆創膏 vs.デブリードメント

 鶏眼(ウオノメ)治療について、サリチル酸絆創膏は外科的デブリードメント(以下、デブリ)と比較して12ヵ月間の追跡期間中、消失率は高率だったものの、QOLや疼痛障害などについて改善は認められたがデブリ群と有意差はみられなかったことなどが示された。英国・ハダースフィールド大学のJohn Stephenson氏らが無作為化試験の結果、報告した。Journal of Dermatology誌オンライン版2015年12月15日号の掲載報告。

双極性障害I型とII型、その違いを分析

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のChristoph Abe氏らは、双極性障害I型(BD I)およびII型(BD II)患者について、皮質容積・皮質厚・皮質表面積を同時に分析するコホート研究を行い、診断に関連した神経生物学的な違いを明らかにした。著者らは、「今回の結果から、BD IとBD IIの症状の違いを説明することができ、診断のバイオマーカーとなりうる可能性を示している」と結論している。ただし、本検討結果で示された違いについては、「疾患の進行性の変化によって、また発症前の状態によっても説明でき、社会・環境・遺伝的な未知の要因に影響された可能性もある」と研究の限界にも言及している。Journal of Psychiatry Neuroscience誌オンライン版2015年12月7日号の掲載報告。

統合失調症患者の攻撃性に有用な薬物療法は

 フランス・Fondation FondaMentalのG. Fond氏らは、統合失調症患者の攻撃性に関する薬物治療の有用性を検討した。その結果、第2世代抗精神病薬(SGA)は第1世代抗精神病薬(FGA)に比べて攻撃性を有意に低下すること、また気分安定薬および抗うつ薬は攻撃性に大きな変化をもたらさず、ベンゾジアゼピン系薬ではむしろ攻撃性が高まることが示された。著者らは、「結果は、攻撃性を示す統合失調症患者におけるSGAの選択を支持するものであるが、より長期間で詳細な研究が必要である」と述べ、また「ベンゾジアゼピン系薬の有害事象(とくに依存および認知障害)の可能性や今回の結果を踏まえると、ベンゾジアゼピン系薬の長期処方は統合失調症患者や攻撃行動を有する患者には推奨されない」と結論している。Psychopharmacology誌オンライン版2015年12月3日号の掲載報告。

うつ病に対するケタミン、効果的な投与量は

 低用量ケタミンは、速やかな抗うつ効果を発揮することが最近の研究で示されている。しかし、用量反応性、患者群間の一貫性、自殺傾向への影響、クロスオーバー試験に起因するバイアスの可能性などは明らかになっていない。オーストラリア・シドニー大学のYing Xu氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、低用量ケタミンは超低用量ケタミンより有効であることを示した。ただし、5分の1の患者は1週間で寛解したが、その他の大半の患者では効果が長続きせず、臨床的効果にはかなりばらつきがみられたという。著者らは、「有効性を向上させるため、また安全性についてさらに評価するため、より大規模で長期的な比較試験が必要である」とまとめている。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年11月17日号の掲載報告。

第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索

 イタリア・Scientific Institute IRCCS Eugenio MedeaのMarco Pozzi氏らは、薬物血中濃度モニタリング(TDM)の観察研究にて、小児患者の実生活における第2世代抗精神病薬(SGA)の血中濃度特性を調べた。その結果、リスペリドンは成人よりも低値だが、アリピプラゾールは類似しているなどの特性が明らかになったという。著者らは、「今回のデータをより大規模な患者集団で検証すれば、小児患者におけるリスペリドンやアリピプラゾールの至適治療域を明確化できる可能性がある」と報告している。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2015年11月28日号の掲載報告。