医療一般|page:186

デュルバルマブ+化学療法、進行胆道がん1次治療で奏効(TOPAZ-1)/AZ

 アストラゼネカは、2022年1月26日 、第III相TOPAZ-1試験の良好な結果から、進行胆道がん(BTC)の1次治療薬として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ )と標準化学療法の併用が、化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の延長を示したことを発表。この結果は、2022年1月21日に米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウムで示された。  TOPAZ-1試験では、デュルバルマブと化学療法の併用療法により、病勢進行または死亡のリスクが25%低下した(HR:0.75、95%CI:0.64〜0.89、両側検p=0.001)。PFS中央値は、デュルバルマブと化学療法の併用療法の7.2ヵ月に対し、化学療法単独は 5.7ヵ月であった。デュルバルマブと化学療法の併用療法の奏効率(ORR)は26.7%であったのに対し、化学療法単独のORRは18.7%であった。

日本におけるベンゾジアゼピン受容体アゴニストの使用状況の変化

 近年、ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)の使用については、ガイドラインで慎重に検討すべきであることが示唆されているものの、日本におけるBZRAの使用状況の調査は十分に行われていなかった。九州大学の奥井 佑氏らは、大学病院の電子カルテデータを用いて、BZRAの使用傾向を調査した。Healthcare(Basel, Switzerland)誌2021年12月13日号の報告。  2009年4月~2021年3月のデータを用いて分析した。アウトカムは、次の3つとし、ベンゾジアゼピン系(BZD)および非ベンゾジアゼピン系(Z薬)について同様の分析を行った。[1]睡眠薬または抗不安薬の使用患者におけるBZRAの使用患者の割合[2]使用されたBZRAタイプの平均数[3]BZRAの1日量

塩野義の経口コロナ治療薬、速やかなウイルス減少効果を確認~第II/III相試験

 塩野義製薬は1月31日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発中の経口薬(S-217622)について、軽症・中等症および無症候のSARS-CoV-2感染者へ投与した際の、ウイルス力価の変化量を検討した第II/III相試験のデータを発表した。それによると、実薬投与群におけるSARS-CoV-2陽性患者の割合が、3回投与後の時点で、プラセボ群と比べ最大80%減少したことを示したという。  S-217622は、塩野義製薬が北海道大学との共同研究により創製した3CLプロテアーゼ阻害薬。

アベマシクリブのHR+/HER2-乳がん術後薬物療法における位置付けは?

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法として、CDK4/6阻害薬アベマシクリブ(商品名:ベージニオ)が2021年12月24日に追加承認を取得した。1月21日「ベージニオに新たな適応症が追加 HR+/HER2-乳癌の術後薬物療法の新しい選択肢とは」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催され、座長として大野 真司氏が登壇、原 文堅氏(ともにがん研究会有明病院)が術後薬物療法におけるアベマシクリブの位置付けについて講演した。  アベマシクリブは2018年9月に、HR+/HER2-の手術不能または再発乳がんに対する治療薬として承認されている。アベマシクリブは骨髄での造血管細胞の成熟に関連するCDK6-サイクリンD3よりも、乳がんの増殖に関連するCDK4-サイクリンD1をより高く阻害するため、パルボシクリブと比較して骨髄抑制が軽く、連日内服が可能という点が特徴となっている。アベマシクリブの用法・用量としては1回150mgの1日2回経口投与であるが、術後薬物療法では投与期間は最大で24ヵ月間、状態に応じて適宜減量することとされた。

年末年始の当直・輪番当番は増えた、減った?/ケアネット

 2022年も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中で迎えた。とくに初冬より流行し始めたオミクロン株は感染力の強さもあり、わが国全体が不安と戸惑いの中で新しい年を迎えた。そうした環境の中で、果たして年末・年始の当直・輪番当番に大きな動きはあったのであろうか。CareNet.comは1月13日(木)にWEBアンケートで医師会員400名に年末・年始の当直・輪番当番について調査を行った。 ■アンケート概要 実施期日:2022年1月13日(木) 調査方法:インターネット 対象者:医師会員400名(年齢別に20・30代/40代/50代/60代以上に区分) ■「年代が若い」「病床規模が大きい」の項目で当直・輪番当番が「あり」の回答が増加

国内データで見るオミクロン株へのワクチン2回接種の効果

 新型コロナワクチンの3回目のブースター接種が昨年12月から始まっているものの、初回接種(当初規定された2回目接種まで)時のような進捗が見られない。しかし一方で、オミクロン株の急拡大に歯止めが掛からないのが現状だ。多くが初回接種にとどまっている中、まん延するオミクロン株にはどれほどの効果があるのだろうか。長崎大学などの研究チームが、国内4都県5ヵ所の医療機関において、今年1月1日~21日までに新型コロナウイルス感染症が疑われる症状で検査を受けた患者400例超を解析したところ、ファイザー製もしくはモデルナ製ワクチンの2回接種の発症予防効果は51.7%で、昨年の第5波に流行したデルタ型と比べ大幅に低下していたことがわかった。

アセナピンとオランザピン、日本人統合失調症患者での治療継続率

 アセナピンは、多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)に分類される第2世代抗精神病薬であり、その薬理学的特徴はオランザピンと類似している。藤田医科大学の松崎 遥菜氏らは、実臨床データを用いて、統合失調症に対するアセナピンとオランザピンの治療継続率や中止理由についての比較を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年12月14日号の報告。  本研究は、レトロスペクティブ研究として実施した。主要エンドポイントは、6ヵ月間に治療継続率のカプランマイヤー推定とし、潜在的な交絡因子で調整するため傾向スコア法を用いて評価した。

デルタ株流行期前後の比較では患児のICU入院が多い/成育研・国際医研

 国立成育医療研究センターと国立国際医療研究センターの合同研究チームは、デルタ株流行期における小児新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院例の疫学的・臨床的な特徴を、デルタ株が流行する以前と比較検討した。今回、その結果を庄司 健介氏(国立成育医療研究センター)らのグループが発表した。  この研究は、2020年10月~2021年5月までをデルタ株以前、2021年8月~10月までをデルタ株流行期とし、それぞれの期間に登録された18歳未満の小児COVID-19入院例1,299人(デルタ株以前:950人、デルタ株流行期:349人)を対象に実施。その結果、デルタ株流行期は、デルタ株以前に比べて患者年齢が低いこと(中央値7歳vs.10歳)、基礎疾患のある患者の割合が高いこと(12.6%vs.7.4%)、集中治療室(ICU)入院を要した患者が多いこと(1.4%vs.0.1%)などが明らかとなった。

ソトラシブのコンパニオン診断薬が承認/キアゲン

 キアゲンは、2022年1月27日、非小細胞肺がん(NSCLC)患者に向けたKRAS G12C阻害や薬ソトラシブ(製品名:ルマケラス)に対するコンパニオン診断薬therascreen KRAS変異検出キット RGQ 「キアゲン」の製造販売承認を取得したと発表。  KRAS変異は日本人肺がん患者の10%程度、欧米人では25%程度に見られると言われている。本(2022)年1月には、アムジェン社のソトラシブ(製品名:ルマケラス)が、NSCLCの KRAS変異のなかで最も頻度の高いKRAS G12C変異を有するNSCLCに承認された。

日本人の統合失調症、うつ病入院患者に対する睡眠薬の使用状況

 京都大学の降籏 隆二氏らは、統合失調症およびうつ病の入院患者に対する睡眠薬の使用率と睡眠薬と抗精神病薬使用との関連について調査を行った。Sleep Medicine誌オンライン版2021年11月22日号の報告。  全国の精神科病院200施設以上が参加する「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究」(EGUIDEプロジェクト)の一環として、全国横断的研究を実施した。統合失調症入院患者2,146例とうつ病入院患者1,031例のデータを分析した。すべての向精神薬の投与量を記録し、退院時のデータを分析した。睡眠薬と抗精神病薬使用との関連を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

JSMO2022の注目演題/日本臨床腫瘍学会

 2022年1月21日、日本臨床腫瘍学会はオンラインプレスセミナーを開催し、会長の国立がん研究センター中央病院の大江 裕一郎氏らが、第19回学術集会の注目演題などを発表した。  今回の学術集会のテーマは「Inspiring Asian Collaboration and the Next Generation in Oncology」。アジアとの協力関係と若手の活性化を目指したものだという。2022年2月17~19日に、現地(京都国際会館およびザ・プリンス京都宝ヶ池)開催を基本とし、webライブとオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド形式で行われる。演題数は1,000を超え、4分の1は海外からの演題とのこと。

医療者における毎日の手指消毒剤、皮膚バリアへの影響は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにおいて、アルコールベースの手指消毒剤(ABHS)を用いて毎日行う手洗いは、皮膚バリアの破壊率が低く、バクテリアや真菌のコロニー形成単位(CFU)数も低値であることが示された。  スペイン・Virgen de las Nieves University HospitalのTrinidad Montero-Vilchez氏らが、水とせっけん、ABHS、除菌シートを比較した無作為化試験の結果を報告した。COVID-19により手洗いの頻度は増したが、臨床におけるさまざまな手指衛生の皮膚バリア機能への影響に関するエビデンスは不足していた。Contact Dermatitis誌オンライン版2021年12月25日号掲載の報告。

新型コロナ、スーパースプレッダーとなりうる人の特徴/東京医科歯科大

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、すべての患者が等しく感染を広げるのではなく、高いウイルスコピー数をもつ特定の患者がとくに感染を広げていくことが知られる。東京医科歯科大学の藤原 武男氏らによるRT-PCR検査によるウイルスコピー数を用いたCOVID-19入院患者の後ろ向き解析の結果、3つ以上の疾患の既往歴および、糖尿病、関節リウマチ、脳卒中の既往がスーパースプレッダーのリスク因子となることが示唆された。Journal of Infection誌オンライン版2021年12月30日号にレターとして掲載の報告より。  2020年3月~2021年6月に、中等症から重症のCOVID-19で東京医科歯科大学病院に入院し、少なくとも1回以上RT-PCR検査が行われた患者が解析対象とされた。入院患者の電子カルテの情報を基に、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・関節リウマチ・がん・慢性腎不全・脳卒中・心疾患・呼吸器疾患・アレルギーといった基礎疾患の有無とウイルスコピー数について関連が調査された。  主な結果は以下の通り。

ファイザーとモデルナが相次ぎ発表、オミクロン特化ワクチンの臨床試験開始

 依然、世界で拡大傾向が続く新型コロナウイルスのオミクロン株を巡り、コロナワクチンを手掛けるファイザー社とモデルナ社が、相次いでオミクロン株に特化した新たなワクチンの臨床試験の開始を発表した。  米国・ファイザー社が発表した1月25日付のプレスリリースによると、臨床試験は、18~55歳の最大1,420例を3つのコホートに分けて実施。コホート1(n=615)は、90~180日前に、既存のファイザー製ワクチンを2回接種した被験者。コホート2(n=600)は、90~180日前に、既存ワクチンを3回接種した被験者。これらのグループに対し、既存ワクチンまたはオミクロン株に特化した新規ワクチンを1回投与する。

軽症でのレムデシビル投与を追記、コロナ診療の手引き6.2版/厚労省

 1月27日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.2版」を公開し、全国の自治体に通知を行った。  6.2版の主な改訂点は以下の通り。 ●改訂点 【1 病原体・疫学】 ・オミクロン株について更新 ・国内・海外発生状況を更新 【4 重症度分類とマネジメント】 ・重症度別マネジメントのまとめを更新 ・軽症、中等症Iについて更新  重症化リスクのある患者へのレムデシビル・モルヌピラビル・中和抗体薬投与について追加

せん妄予防に対するラメルテオン+スボレキサントの有効性~メタ解析

 せん妄は、重篤な神経性行動を有する症候群であり、長期入院や有病率、死亡率の増加と関連している。中国・南方医科大学のYu Tian氏らは、高齢入院患者のせん妄に対するラメルテオンの有無にかかわらないスボレキサントの予防効果を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychogeriatrics誌オンライン版2021年12月8日号の報告。  各データベース(PubMed、Cochrane Library、Web of Science、EMBASE、EBSCOhostデータベース)より、成人入院患者のせん妄に対するラメルテオンの有無にかかわらないスボレキサントの有効性を調査したすべてのランダム化比較試験(RCT)、ケースコントロール研究、コホート研究を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。主要アウトカムは、せん妄の発生率とした。

2021年に注目された記事は?「ベストPicker アワード」発表

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)は、2021年にサイト上で最も活躍した医師を表彰する「2021年 ベストPicker アワード」を発表した。投稿(Pick)数と他ユーザーからの評価を足した指標を基に毎年行っているもので、2021年に表彰された5名の医師と受賞コメントは以下のとおりとなっている。 ◆田中 希宇人氏(日本鋼管病院)  このたびは「ケアネットDoctors'Picks 2021年ベストPicker」を頂きまして誠に嬉しく思います。昨年もコロナで日常診療も私生活も相当制限された1年でした。このような世界的パンデミック下だからこそ正確で効率的な情報収集と分かりやすい情報発信の重要性を改めて認識することになりました。2022年は新しいことにもチャレンジしつつ、ケアネットさんとも一緒にこれからの令和の医療の発展に引き続き尽力していきたいと思っています。

COVID-19治療薬の特徴一覧を追加、薬物治療の考え方12版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、1月24日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第12版」をまとめ、同会のホームページで公開した。  今回の改訂では、適用・効果の追加承認がなされたトシリズマブ(商品名:アクテムラ)に関する記載が追加されたほか、他の治療薬の知見を更新し、現在使用できる治療薬4剤の特徴を記した一覧表が附表として追加された。

慢性不眠症患者のベンゾジアゼピン中止に対する意思決定ツールの受容性

 聖路加国際大学の青木 裕見氏らは、ベンゾジアゼピン(BZD)およびベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)睡眠薬の中止を考慮した(中止する場合、不眠症に対する認知行動療法[CBT-I]の有無にかかわらず漸減)、慢性不眠症患者に対する意思決定支援ツールの開発およびその受容性について評価を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2021年11月22日号の報告。  慢性不眠症に関連する文献を確認し、オプションの特定を行った。すでに実施されたシステマティックレビューおよびメタ解析の結果を用いて、BZD/BZRA睡眠薬の中止における2つのオプション(漸減のみによる中止、CBT-Iを用いた段階的な漸減)に関連するアウトカムを決定した。次に、国際基準(IPDAS)に従い意思決定支援ツールのプロトタイプを開発した。患者および医療提供者における受容性を評価するため、混合研究法を用いた。

CAR-T ide-cel、多発性骨髄腫に国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年1月20日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)について、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象にしたCAR T療法の承認取得は今回が国内初。  今回の承認取得は、国際共同第II相試験(実施地域:日本・米国・欧州・カナダ)、ならびに海外第I相試験(実施地域:米国)で得られた有効性および安全性の結果に基づいている。