迅速承認薬の治療的価値は本物か?/BMJ
過去10年で米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)が承認した新薬について、他の5つの独立組織(4ヵ国[カナダ、フランス、ドイツ、イタリア]の保健当局とPrescrire誌を発行する国際非営利組織)のうち少なくとも1組織によって「治療的価値が高い」と評価されたのは3分の1に満たないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院・ハーバード大学医学大学院のThomas J. Hwang氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で明らかにされた。FDAおよびEMAによる新薬承認は、医薬品開発・承認の促進プログラムが一因し、これまでになく多数かつ迅速になっているという。今回の検討では、FDAおよびEMAによって治療的価値が高いとされた新薬は、非迅速開発薬よりも迅速開発薬で有意に多く、FDAで承認されたがEMAでは承認されなかった迅速承認薬の大半は治療的価値が低いと評価されていることも示された。BMJ誌2020年10月7日号掲載の報告。