日本の消化器外科の手術アウトカム、男女医師で差は?/BMJ
日本の消化器外科医による手術アウトカムの補正後リスク差について、執刀医の男女差は認められない。日本バプテスト病院外科副部長・京都大学大学院医学研究科の大越香江氏らが、日本の手術症例データベースNational Clinical Database(NCD)等を基に後ろ向きコホート試験を行い、幽門側胃切除術、胃全摘術、直腸低位前方切除術の短期アウトカムを調べた結果を報告した。女性消化器外科医は男性消化器外科医と比べて、医籍登録後の年数が短く、リスクがより高い患者を引き受け、腹腔鏡手術の回数は少ないという不利な条件ながらも、手術死亡率やClavien-Dindo分類≧3合併症率について有意差はなかったという。結果を踏まえて著者は「日本では、女性医師が手術トレーニングを受けるために、より多くの機会が保証されている」と述べ、「女性外科医のためのより適切で効果的な手術トレーニングを整備すれば、手術アウトカムはさらに改善する可能性がある」とまとめている。BMJ誌2022年9月28日号掲載の報告。