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- 2024/12/20
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米国の高血圧ガイドライン(JNC8)のインパクト/JAMA
米国合同委員会(Joint National Committee:JNC)の第8次報告として新たに発表された年高血圧ガイドラインにより、成人の降圧治療対象者が減少し、目標血圧達成者の割合が増大することが判明した。この影響はとくに高齢者で大きいという。米国・デューク大学医療センターのAnn Marie Navar-Boggan氏らが報告した。高血圧ガイドラインでは、60歳以上の血圧目標値を従来の140/90mmHg未満から150/90mmHg未満へと引き上げることが、また糖尿病あるいは慢性腎臓病(CKD)を有する患者についても130/80mmHg未満から140/90mmHgへと変更することが盛り込まれた。これら変更の影響について研究グループは、全米健康栄養調査(NHANES)のデータを使って検討した。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。
スタチン投与対象者はガイドラインごとに大きく異なる/JAMA
臨床ガイドラインによって、スタチン投与の対象となる人は大きく異なることが判明した。2013年に発表された新たな米国心臓病学会と米国心臓協会(ACC/AHA)ガイドラインを順守した場合には、55歳以上男性コホートの約96%に相当する一方で、従来の米国高脂血症治療ガイドライン(Adult Treatment Panel III:ATP III)に則した場合は、スタチン投与の対象者は男性の52%に留まるという。オランダ・エラスムス大学医療センターのMaryam Kavousi氏らが、約5,000例のコホート試験を基に分析して明らかにした。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。
TAVRの装着成功率、弁型で差/JAMA
ハイリスク重度大動脈弁狭窄への経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)に関して、バルーン拡張型弁と自己拡張型弁を比較したところ、バルーン拡張型弁のほうが装着成功率が高く、その他のアウトカムも良好であることが示された。ドイツ・ゼーゲベルガークリニックのMohamed Abdel-Wahab氏らが、241例を対象に行った無作為化試験「CHOICE」の結果、報告した。TAVRは同患者に対する有効性が認められた治療選択肢だが、弁型式の違いによる検討はこれまで行われていなかった。JAMA誌オンライン版2014年3月30日号掲載の報告より。
腺腫検出率1%上昇で中間期大腸がんリスク3%低下/NEJM
腺腫の検出率と、中間期大腸がん、進行期の中間期がん、致死的な中間期がんのリスクとの間には逆相関の関連がみられることが判明した。米国・カイザーパーマネンテ社のDouglas A. Corley氏らが、消化器専門医136人が行った大腸内視鏡検査31万4,872件について分析した結果、報告した。大腸内視鏡検査は、大腸がん検出のプライマリまたはフォローアップスクリーニングとして一般に行われている。また最近では、医師が行うスクリーニング大腸内視鏡検査での1つ以上の腺腫の検出率が、質の評価の指標として推奨されるようになっていた。しかし、この検出率とその後の大腸がん(中間期がん)や死亡のリスクとの関連については、ほとんど分析がされていなかったという。NEJM誌2014年4月3日号掲載の報告より。
治療抵抗性高血圧に対する効果の比較、腎除神経術vs擬似的手技/NEJM
治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーション(腎除神経術)の降圧効果を、盲検下でプラセボ(擬似的手技:シャム)と比較した「SYMPLICITY HTN-3」試験の結果が、同研究グループの米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らにより発表された。6ヵ月時点の評価において、腎除神経術による有意な降圧は認められなかったという。先行研究の非盲検試験では、カテーテルベースの腎除神経術の降圧効果が示唆され、現在80ヵ国以上で臨床導入されている。しかし先行研究は、サンプルサイズが小さく、限定的な24時間血圧の評価で、盲検化不足、シャム対照の不足といった、試験結果の信頼性を損なう多くの点が散見されていた。本試験は、先行研究の方法論の問題を解消するようデザインされた、前向き単盲検無作為化シャム対照試験であった。NEJM誌オンライン版2014年3月29日号掲載の報告より。
臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス感染にリバビリン単剤が有望/NEJM
臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス(HEV)感染には、約3ヵ月間のリバビリン単剤療法が有効である可能性が示された。フランス・CHU RangueilのNassim Kamar氏らが、59例の固形臓器移植レシピエントを対象に、後ろ向きに検討した多施設共同症例集積研究を行い報告した。HEV感染に対しては現状、有効性が確立した治療法がない。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。
学生の飲酒節制、ネット介入の効果なし/JAMA
大学生を対象としたインターネットによるアルコール使用障害の特定と介入プログラムは、飲酒頻度や総飲酒量、学業問題や気晴らし飲酒、深酒について、改善効果を認めなかったことが明らかにされた。一方で、典型的な行事における飲酒量については、介入プログラムにより有意に減少したという。オーストラリア・ニューカッスル大学のKypros Kypri氏らが、約1万5,000人の大学生を対象に行った試験で明らかにした。先行研究では、健常者の飲酒、とくに若い人の飲酒は、グローバルな疾患負荷に結びつくこと、またシステマティックレビューではインターネットによるスクリーニングと介入は有効であることが示唆されていた。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。
米国での医療関連感染、C.difficileが最多/NEJM
米国疾病予防管理センター(CDC)のShelley S. Magill氏らは、複数地点で調べるサーベイ法で急性期病院における医療関連感染の発生について調べた結果、2011年時点で患者64万8,000例、72万1,800件の発生であったことを報告。また Clostridium difficile (C. difficile)感染症が最も多くみられ、引き続きC. difficile感染症に対する公衆衛生サーベイランスと予防への取り組みが必要であることを報告した。JAMA誌オンライン版2014年3月27日号掲載の報告より。
破裂性腹部大動脈瘤による死亡率の低い病院の共通因子/Lancet
英国・ロンドン大学のAlan Karthikesalingam氏らが、破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)からのアウトカムについて米国と英国を比較した結果、米国よりも英国のほうが院内生存率、介入率、血管内修復術実施率が低いことが明らかになった。また、両国とも死亡率が最も低かったのは、病床規模が大きな教育病院で、血管内修復術の施行率が高い病院だった。著者は「これらの共通要因は、rAAAの患者アウトカムの改善戦略を示唆するものである」と述べている。Lancet誌2014年3月15日号掲載の報告より。
非小細胞肺がんに有望な新規ALK阻害薬/NEJM
未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)再構成を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、新しいALK阻害薬であるセリチニブは有望である可能性が示された。米国・マサチューセッツ総合病院のAlice T. Shaw氏らが、ALK阻害薬クリゾチニブ投与中に増悪した例を含む進行ALK再構成NSCLC患者を対象とした第I相臨床試験の結果、ALK耐性変異の有無にかかわらず高い活性が示された。ALK再構成NSCLCは、クリゾチニブに感受性を示すが、大多数の患者において耐性が生じる。セリチニブは、クリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示すことが前臨床試験で示され、新たなALK阻害薬として期待されている。NEJM誌2014年3月27日号掲載の報告より。
尿管結石の予測に有用な新たなスコアを開発/BMJ
尿管結石有無の診断のために新たに開発されたSTONEスコアは、確実にその存在を予測することが、米国・エール大学のChristopher L Moore氏らによる前向きおよび後ろ向きコホート研究の結果、示された。同スコアが高い群で尿管結石が存在する割合が高く、その場合、ほかの急性重大症状を有する確率は低いことも確認された。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討により、CT画像診断による放射線曝露、および画像診断そのものの過剰適用を制限するのに役立つことになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月26日号掲載の報告より。
バレット食道のがん進行リスク、高周波アブレーションで抑制/JAMA
軽度異形成を伴うバレット食道に対する高周波アブレーションは、腫瘍への進行リスクを抑制することが、オランダ・アムステルダム大学のK. Nadine Phoa氏らが行った追跡期間3年の無作為化試験の結果、報告された。過去30年で食道腺がんの発生率は6倍増大しており、西側諸国において最も急速に増大したがんとなっているという。食道腺がんのリスクは、軽度異形成を伴うバレット食道により増大するが、大半のガイドラインは、同患者における腫瘍への進行について内視鏡検査(6~12ヵ月ごと)でのモニタリングを勧めている。Phoa氏らは、内視鏡サーベイランスとの比較で内視鏡的高アブレーションが同患者における腫瘍への進行リスクを抑制するかを検討した。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。
初発の心血管疾患の予測にHbA1c値は寄与しない/JAMA
従来の心血管リスク因子にHbA1c値の情報を加えても、初発の心血管疾患(CVD)リスク予測改善にはほとんど寄与しないことが判明した。英国・ケンブリッジ大学のJohn Danesh氏らEmerging Risk Factors Collaborationが、73件の前向き試験に参加したCVDまたは糖尿病歴のない被験者約30万人のデータを分析した結果、明らかになった。高血糖と高率のCVD発生との関連性から、初発のCVDイベント予測のためにその測定を推奨する動きがある。一方で、ACC/AHAが2013年に改訂した心血管リスク評価に関するガイドラインでは推奨がされていないなど、HbA1c値測定に対する評価は定まっていなかった。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。
多発性硬化症におけるシンバスタチン高用量の有用性/Lancet
二次性進行型多発性硬化症(MS)患者に対し、シンバスタチンの高用量投与により、全脳萎縮率は約4割低下することが明らかにされた。英国・ロンドン大学のJeremy Chataway氏らが、140例の二次性進行型MS患者を対象に行った第II相臨床試験の結果で、忍容性、安全性も良好であり、第III相試験を進める根拠が得られたと報告した。二次性進行型MSについては満足いく治療法がなく障害を有しているのが現状である。シンバスタチンは血管性疾患に広く用いられており、安全性プロファイルに優れ、免疫調整や神経保護の特性を有していることが知られていた。Lancet誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。
揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ
肥満遺伝子と肥満の関連は、揚げ物の摂取頻度が増えることで増強されることが判明した。10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、揚げ物摂取頻度が週1回未満だと1.61に対し、4回以上だと2.72に上ることが示されたという。米国・ハーバード公衆衛生大学院のQibin Qi氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study)や医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)などのデータを基に行った検討で明らかにした。著者は「今回の所見は、遺伝的に肥満体質の人は、とくに揚げ物の摂取量を減らすことが重要であることを強調するものである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。
敗血症性ショックへのEGDTプロトコル、死亡率は通常ケアと変わらず/NEJM
敗血症性ショックにおける早期目標指向型治療(early goal-directed therapy:EGDT)プロトコルに基づく蘇生治療の有効性を検討した多施設共同無作為化試験の結果、同治療はアウトカムを改善しないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のDerek C. Angus氏ら「ProCESS(Protocolized Care for Early Septic Shock)」共同研究グループが報告した。EGDTは、10年以上前に発表された単施設試験の結果に基づくプロトコルである。同試験では、救急部門(ER)に搬送されてきた重症敗血症および敗血症性ショックの患者について、6時間で血行動態目標値を達成するよう輸液管理、昇圧薬、強心薬投与および輸血を行う処置が、通常ケアよりも顕著に死亡率を低下したとの結果が示された。ProCESS試験は、この所見が一般化できるのか、またプロトコルのすべてを必要とするのか確認することを目的に行われた。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。
中大脳動脈領域梗塞の減圧開頭術、高齢者でも有益/NEJM
悪性中大脳動脈領域梗塞を起こした61歳以上の高齢患者に対する減圧開頭術は、重度の障害を伴わない生存者を増大することが、ドイツ・ハイデルベルク大学のEric Juttler氏ら「DESTINY II」共同研究グループによる検討の結果、示された。大部分の生存者は介助を必要としたが、その大半は身体的ニーズだった。先行研究により、中大脳動脈領域全体、またはほぼ全体に梗塞を起こした60歳以下の患者において、早期の減圧開頭術は死亡率を低下し重度障害リスクも増大しないことが示されていた。しかし高齢患者において同様のベネフィットがあるのかは不明であった。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。
乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet
乳房切除術および腋窩郭清後の放射線療法の効果について、1~3個のリンパ節転移があり全身治療が行われた場合でも、再発率、乳がん死亡率を低下することが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のEarly Breast Cancer Trialists 共同研究グループ(EBCTCG)が22試験、8,135例の患者データをメタ解析し報告した。先行研究のメタ解析で、乳がん切除後の放射線療法は、リンパ節転移が認められる全女性について、再発および乳がん死亡の両リスクを低下することが示されていた。しかし、転移が1~3個と少ない患者におけるベネフィットは不明であり、本検討は、それらの患者の放射線治療の効果について評価することが目的であった。Lancet誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。
高齢者の肺塞栓症除外には年齢補正Dダイマー値が有用/JAMA
血漿Dダイマー値を用いた急性肺塞栓症(PE)患者の除外診断について、固定指標値500μg/Lをカットオフ値として用いるよりも、年齢補正Dダイマー値を用いたほうが有用であることが、スイス・ジュネーヴ大学病院のMarc Righini氏らによる多施設共同前向き試験ADJUSTの結果、示された。Dダイマー測定は、PEが臨床的に疑われる患者において重要な診断戦略として位置づけられている。しかし、高齢者の診断ではその有用性が限定的で、年齢補正の必要性が提言されていた。JAMA誌2014年3月19日号掲載の報告より。
米成人の半数がスタチン治療を受ける時代に?/NEJM
米国心臓病学会および米国心臓協会(ACC/AHA)は昨年11月、関連するガイドラインを改訂したが、デューク大学臨床研究所のMichael J. Pencina氏らは、その影響について調べた。結果、スタチン治療が適格となる患者が1,280万人増大し、米国成人(40~75歳)の約半数(48.6%)5,600万人がスタチン治療対象者となることが推算されたという。増大者のうち大半は心血管疾患を有さない高齢者であった。NEJM誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。