腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:156

成人発症のがんサバイバー、2次原発がんの発症・死亡リスク高/JAMA

 米国の成人発症がんの生存者は一般集団と比較して、いくつかの種類の原発がんで、2次原発がん(SPC)の発症およびSPCによる死亡のリスクが高く、喫煙または肥満に関連する一部のSPCは、がん生存者全体におけるSPC罹患およびSPCによる死亡に占める割合が高いことが、米国がん協会(ACS)のHyuna Sung氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年12月22・29日号に掲載された。新たながんを発症するがん生存者の数は増加すると予測されている。一方、成人発症がんの生存者におけるSPCのリスクに関して、包括的なデータは十分でないという。

ゾレドロン酸の顎骨壊死発生率とリスク因子/JAMA Oncol

 ゾレドロン酸は、骨転移のあるがん患者において骨修飾薬(BMA)として用いられている。米国の多施設共同前向き観察コホート試験(SWOG Cancer Research Network S0702)の結果、投与後累積3年の顎骨壊死の発生率は2.8%であることが明らかにされた。JAMA Oncology誌オンライン版2020年12月17日号掲載の報告。  試験は、BMA治療が限定的または治療歴がなく、試験登録から30日以内、ゾレドロン酸の使用などの治療計画があり、骨転移のあるがん患者を対象とした。

HR+閉経後乳がんへのAI延長投与、至適治療期間は?~メタ解析

 5年間の内分泌療法終了後、ホルモン受容体陽性(HR+)の閉経後早期乳がん患者に対するアロマターゼ阻害薬(AI)延長投与の至適治療期間を検討したメタ解析結果が報告された。中国・北京協和医学院のJuan Chen氏らが、Breast Cancer誌オンライン版2021年1月2日号で発表した。  著者らは、適格基準を満たした無作為化比較試験を、内分泌療法の全期間に応じて3つのカテゴリーに分類(10年 vs.5年/7~8年 vs.5年/10年 vs.7~8年)。各カテゴリーについて、無増悪生存期間(DFS)と全生存期間(OS)のハザード比(HR)、および有害事象の発生率のリスク比(RR)のプール解析を実施した。

がん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)の国内申請/第一三共

 第一三共は、同社が東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授と共同で開発しているがん治療用ウイルスG47Δ(一般名:teserpaturev、開発コード:DS-1647)について、2020年12月28日、悪性神経膠腫に係る再生医療等製品製造販売承認申請を国内で行った。  同申請は、藤堂教授が実施した膠芽腫患者を対象とした国内第II相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づくもの。国内第II相臨床試験は、主要評価項目である1年生存率の達成基準を満たした。

オラパリブ、卵巣がん、前立腺がん、膵がんに国内承認/アストラゼネカ・MSD

 アストラゼネカとMSDは、2020年12月28日、オラパリブ(商品名:リムパーザ)について、2020年12月25日付で、「相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」、「gBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」および「gBRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の3つの適応症を対象に厚生労働省より承認を取得したと発表。

ニボルマブ、米国での小細胞肺がんの適応に関して声明/BMS

 米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は、米国でのニボルマブ(商品名:オプジーボ)の小細胞肺がん(SCLC)の適応を撤回するとの声明を発表した。  ニボルマブは、プラチナベース化学療法と1ライン以上の他の治療後に疾患進行した小細胞肺がん(SCLC)の治療について、米国食品医薬品局(FDA)から、2018年に迅速承認を受けた。迅速承認は、進行または転移のある固形がん患者を対象とした第I/II相CheckMate-032試験におけるオプジーボの有効性に基づいたものであった。

STAMP阻害薬asciminib 、慢性骨髄性白血病で良好なMMR率/ノバルティス

 ノバルティスは、2020年12月8日、第III相ASCEMBL試験において、ABLミリストイルポケット(STAMP)を特異的に標的とする新規治験薬asciminib(ABL001)が、2剤以上のTKI治療歴のある慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML-CP)患者において、ボスチニブに比べほぼ2倍の投与24週時点のMMR率を達成したと発表(25.5% vs.13.2%、両側p=0.029)。これらのデータは第62回米国血液学会議(ASH)のLate Breakingセッションで発表された。  ASCEMBL試験では、233例の患者が無作為化され、asciminib40mg x 2/日(n=157)、またはボスチニブ500mg/日(n=76)のいずれかが投与された。

免疫チェックポイント阻害薬関連の乾癬、重症度や対処法は?

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に関連した乾癬について、ギリシャ・アテネ大学のVasiliki Nikolaou氏らが欧州9施設から報告された115例について、重症度等のデータを明らかにし、段階的な治療アルゴリズムの提案を検討した。ICIに関連した乾癬は、診断上および治療上の重大な課題をもたらすが、検討によりacitretin、アプレミラスト、メトトレキサートは安全で効果的な治療法であり、ほとんどの場合でICI投与を中断することなく完了できることを示した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年12月3日号掲載の報告。  研究グループは、前例のない最大コホートから報告されたICIに関連した乾癬に関するデータを報告し、段階的な治療アルゴリズムを提案するため、欧州の9施設で組織するEuropean Network for Cutaneous ADverse Event to Oncologic drugs(ENCADO)のデータを用いて検討した。  9施設からの、ICIに関連した乾癬を呈した全患者の医療記録をレトロスペクティブにレビューした。

早期TNBC、低用量カペシタビン維持療法で転帰が改善/JAMA

 標準的な術後補助療法を受けた早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)女性において、低用量カペシタビンによる1年間の維持療法は経過観察と比較して、5年無病生存率を有意に改善し、有害事象の多くは軽度~中等度であることが、中国・中山大学がんセンター(SYSUCC)のXi Wang氏らが行った「SYSUCC-001試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2020年12月10日号で報告された。乳がんのサブタイプの中でも、TNBCは相対的に再発率が高く、標準治療後の転帰は不良であり、再発および死亡のリスクを低減する効果的な維持療法が求められている。低用量カペシタビンによる化学療法は、2つの転移の機序(血管新生、免疫逃避)を標的とすることでTNBC女性の再発を抑制する可能性が示唆されているが、再発抑制に要する長期の治療の有効性と受容性については不確実性が残るという。

MSI-H大腸がん1次治療、ペムブロリズマブによるPFS延長証明(KEYNOTE-177)/NEJM

 抗PD-1抗体ペムブロリズマブについて、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の進行大腸がんの1次治療における有効性が示された。化学療法と比較して無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、治療関連有害事象は少ないことを、フランス・ソルボンヌ大学のThierry Andre氏らが無作為化非盲検第III相試験「KEYNOTE-177試験」で明らかにした。これまでに、既治療のMSI-H/dMMR腫瘍に対するPD-1阻害の臨床的有効性は示されているが、MSI-H/dMMR陽性の進行・転移を有する大腸がんに対する1次治療として、化学療法と比較した有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌2020年12月3日号掲載の報告。