乳がん脳転移例へのT-DXd、安定/活動性によらず良好な結果(DESTINY-Breast12)/ESMO2024

脳転移の有無を問わず、前治療歴のあるHER2陽性(+)の転移を有する乳がん患者を対象とした第IIIb/IV相DESTINY-Breast12試験の結果、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は脳転移を伴う患者で全身および中枢神経系における良好な抗腫瘍活性を示し、その活性は持続的であったことを、米国・ダナファーバーがん研究所のNancy U. Lin氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)で発表し、Nature Medicine誌オンライン版2024年9月13日号に同時掲載された。 これまで、T-DXdのDESTINY-Breast01、02、03試験において、ベースライン時に脳転移があるHER2+乳がん患者の探索的プール解析の結果、既治療で安定した脳転移患者および未治療で活動性の脳転移患者で高い頭蓋内奏効率(ORR)が得られたことが報告されている。DESTINY-Breast12試験は、ベースライン時に脳転移がある患者とない患者の2つの別々のコホートによって、脳転移の有無を問わずにT-DXdの有効性と安全性を前向きに評価した非比較研究である。対象は、抗HER2療法の前治療歴があるHER2+の転移乳がん患者であった。脳転移を有するHER2+の転移乳がん患者を含めたT-DXdの前向き研究としては最大規模となる。最終データカットオフは2024年2月8日。