腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:303

茶色のフライドポテトやトーストは、がんのリスク?

 食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなる。穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生する。このアクリルアミドは水処理剤、土壌凝固剤など工業用途に用いられるポリアクリルアミドの原料となるのだが、食材中のアミノ酸(アスパラギン)と糖類(ブドウ糖や果糖)が、加熱(120℃以上)により反応し発生するという。

スタチンで大腸がん死亡率が低下、では再発率は?

 大腸がんの予後に対するスタチンの影響について、がん特異的死亡率の低下が報告されているが、再発についての研究はほとんどない。今回、米国・エモリー大学のTimothy L. Lash氏らがデンマークの約2万人のコホートで検討したところ、スタチン使用は大腸がんの再発率の低下とは関連していなかったが、がん特異的死亡率の低下と関連していた。このことから、がんそのものに対するベネフィットはないことが示唆され、著者らは「心血管症状のない大腸がん患者にスタチンを処方する根拠はない」としている。American journal of epidemiology誌オンライン版2017年3月1日号に掲載。

臓器移植後の皮膚疾患、人種間の違いは?

 米国では、白人レシピエントの皮膚がんリスクについて特徴づけがされているが、臓器移植待機リストの大半を占める非白人については、皮膚疾患および皮膚がんリスクについてほとんど検討されていなかった。米国・ドレクセル大学のChristina Lee Chung氏らは、レシピエント412例の医療記録をレビューし、白人では悪性疾患が最も多いが非白人では感染症や炎症性疾患が多いこと、日光に曝されている部位での病変が最も多いのは白人とアジア人であること、一方で黒人レシピエントの病変の3分の2は日光に曝されていない部位での発症であることなどを明らかにした。JAMA dermatology誌オンライン版2017年3月8日号掲載の報告。

VEGF阻害剤アフリベルセプト ベータ、大腸がんに承認:サノフィ

 サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャック・ナトン)は、2017年3月30日、抗悪性腫瘍剤/VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤アフリベルセプト ベータ(商品名:ザルトラップ点滴静注 100mg/200mg、以下ザルトラップ )について、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の効能・効果で厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表。

オラパリブがBRCA変異陽性卵巣がんの希少疾病用医薬品に指定

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン)は、現在開発中のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤オラパリブが、「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣癌」を予定される効能・効果として、2017年3月24日、厚生労働大臣より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。

オピオイドとベンゾジアゼピンの併用はリスクか?/BMJ

 米国・スタンフォード大学のEric C Sun氏らは、民間医療保険の支払いデータから、オピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用使用の傾向、および併用使用とオピオイド過剰摂取との関連を調べるレトロスペクティブな分析を行った。その結果、2001~13年の間に両薬の併用は1.8倍に急増しており、併用がオピオイド過剰摂取の全リスクに有意に関与していることが明らかになったと報告した。多くの国で、処方オピオイドの使用増大と、その結果としてオピオイド中毒や過剰摂取が起きている可能性が公衆衛生上の懸念として増している。米国では、オピオイドの致死的過剰摂取の30%でベンゾジアゼピン系薬の併用が認められており、同併用の増大がオピオイド関連死の増大を招いているのではないかと懸念されている。しかし、これまでに行われたオピオイドとベンゾジアゼピン系薬の併用に関する試験は退役軍人を対象としたもので、一般集団である民間保険加入者の使用傾向や影響については明らかにされていなかったという。BMJ誌2017年3月14日号掲載の報告。

ペムブロリズマブ 肺がん1次治療の新戦略

 2017年3月13日、MSD株式会社は、抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注20mg」および「キイトルーダ点滴静注100mg」(一般名:ペムブロリズマブ)の発売に伴うプレスセミナーを開催した。その中で、京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 教授の高山 浩一氏による、「肺がん治療における免疫療法の展望~免疫チェックポイント阻害剤の登場で変わる治療戦略~」と題した講演が行われた。その内容をレポートする。

オラパリブ、BRCA変異陽性卵巣がんの病勢進行リスクを70%低減:アストラゼネカ

 アストラゼネカ (本社:英国ロンドン、最高経営責任者[CEO]:パスカル・ソリオ)は2017年3月14日、生殖細胞系列BRCA (以下、gBRCA)変異陽性プラチナ感受性再発卵巣がん患者を対象に、オラパリブの維持療法をプラセボと比較した第III相臨床試験SOLO-2において、無増悪生存期間(PFS)の延長が示されたとの結果を発表した。