腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:307

ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効/NEJM

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)で50%以上の腫瘍細胞がPD-L1陽性の患者に対し、PD-1受容体阻害薬ペムブロリズマブは、プラチナベース化学療法に比べ、無増悪生存期間を有意に延長することが示された。ドイツ肺疾患研究センターのMartin Reck氏らが、305例の患者を対象に行った第III相無作為化非盲検比較試験の結果、明らかにした。全生存期間も有意に延長し、有害事象は有意に少なかった。NEJM誌オンライン版2016年10月8日号で発表した。

HR+/HER2-乳がん、ribociclib+レトロゾールでPFS延長/NEJM

 ホルモン受容体(HR)陽性でHER2陰性の閉経後女性の進行乳がんに対して、初回全身治療として、選択的サイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬ribociclibとレトロゾールの併用が、レトロゾール単剤に比べて無増悪生存期間を延長することが報告された。米国・テキサス州立大学M.D.アンダーソンがんセンターのGabriel N Hortobagyi氏らが、668例を対象に行った第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、発表したもので、NEJM誌オンライン版2016年10月7日号に掲載された。

子宮頸がん検診の間隔、5年以上でも安全か/BMJ

 ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性女性では、子宮頸がんおよびGrade 3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)の長期的なリスクはきわめて低いが、陽性女性ではCIN3+の長期的リスクがかなり高いことが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのMaaike G Dijkstra氏らが進めるPOBASCAM試験で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2016年10月4日号に掲載された。HPV検査およびHPV検査+細胞診の組み合わせによる子宮頸がん検診は、細胞診のみの検診よりも早期に、Grade 3のCINを検出することが示されているが、5年以上の間隔を置いた検診の安全性のエビデンスは不十分とされる。オランダでは、2017年に、HPVベースの検診プログラムにおける40歳以上のHPV陰性女性のHPVの検診間隔が、5年から10年に延長される予定だという。

CYP2D6阻害SSRI、タモキシフェンの有効性を低下せず/BMJ

 タモキシフェンと選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の併用において、CYP2D6を強力に阻害するSSRIのパロキセチンまたはfluoxetineは、他のSSRIと比較し死亡リスクを増加させないことが確認された。米国ハーバード・メディカル・スクールのMacarius M Donneyong氏らが、5つの国内医療保険データベースを用いたコホート研究の結果、明らかにした。乳がん女性の半数近くはうつ病や不安症を抱えており、タモキシフェンを使用している女性の約4分の1はSSRI薬を服用しているという。タモキシフェンはCYP2D6によって代謝され活性型となるため、CYP2D6の強力な阻害作用を持つSSRI薬との併用は、理論上、活性代謝物が減少し有効性が低下する可能性が示唆されていた。BMJ誌2016年9月30日号掲載の報告。

悪性黒色種、発見者による予後の違いが明らかに

 悪性黒色種(メラノーマ)は早期診断が重要であるが、患者は疾患が進行してから受診することが多い。悪性黒色種を最初に誰が発見するかによって予後にどのような影響があるかは明らかになっていなかったが、スペインのグレゴリオ・マラニョン大学総合病院 Jose Antonio Aviles-Izquierdo氏らの調査によって、皮膚科医が発見したほうが患者自ら発見した場合よりも、予後は良好であることが明らかとなった。ただし皮膚科医の発見は80%が偶発的であったことも判明した。また、本人自ら発見した患者においては、とくに70歳超で男性より女性のほうが予後良好であった。著者は「この集団が、悪性黒色種発見のための教育を行う論理的なターゲットになるだろう」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年9月16日号掲載の報告。

がん登録データ活用し、がん患者の人口動態変化を予測~神奈川県

 団塊の世代の高齢化に伴い、がん患者の人口動態も大きく変わることが予想されており、それに対応できる専門医の配置などを含めた医療体制を整えていくことが求められている。とくに、首都圏近郊にはおよそ200万人の団塊の世代が居住しているといわれており、がん患者の地域分布は大きく変化していく可能性があると考えられている中で、乳がん患者データから将来のがん患者の人口動態変化を予測した、神奈川県立がんセンターの片山 佳代子氏らによる研究結果がPLOS ONE誌2016年8月17日号に発表された。

前立腺がん、4つの治療法を患者報告アウトカムで評価/NEJM

 限局性前立腺がん治療後の排尿・腸・性機能の重症度、回復状況および機能低下のパターンやQOLは、治療法によって異なることが明らかにされた。英国・ブリストル大学のJ. L. Donovan氏らが、PSA監視療法、根治的前立腺摘除術および内分泌療法併用根治的放射線療法の有効性を検証したProstate Testing for Cancer and Treatment(ProtecT)試験の患者報告アウトカムを分析し、報告したもので、これまで、患者報告アウトカムを用いて臨床的限局性前立腺がんに対する治療効果を評価したデータはあまりない。NEJM誌オンライン版2016年9月14日号掲載の報告。