腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:310

抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet

 扁平上皮・非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体atezolizumabは、PD-L1蛋白質の発現状況にかかわらず、ドセタキセルに比べ全生存期間を有意に延長することが示された。安全性プロファイルも良好だった。ドイツLungenfachklinik Immenhausen病院のAchim Rittmeyer氏らが行った、第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験「OAK」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月12日号で発表した。OAKは、PD-L1をターゲットとした治療の初となる第III相無作為化試験だという。

ニボルマブ、小細胞肺がんに単独およびイピリムマブ併用で有望な効果:CheckMate-032

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は12月7日、治療歴を有する小細胞肺がん(SCLC)患者を対象に、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)単剤療法およびニボルマブとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法を評価した第I/II相非盲検 CheckMate-032試験におけるコホートの最新結果を発表した。

治癒切除後の大腸がん予防、低用量アスピリンが最適か/BMJ

 初発大腸腫瘍(colorectal neoplasia)または大腸がん(colorectal cancer)の治癒切除術を受けた患者における進行性異時性腫瘍の予防では、非アスピリン非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の効果が最も高いが、リスク・ベネフィットのプロファイルは低用量アスピリンが最も良好であることが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のParambir S Dulai氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2016年12月5日号に掲載された。大腸腫瘍(管状腺腫、がん)の既往のある患者における大腸がんの化学予防薬として、多くの栄養補助食品や薬剤が検討され、無作為化対照比較試験ではさまざまな有効性が示されている。一方、既報のメタ解析では、進行性異時性腫瘍のリスク低減に、アスピリンや非アスピリンNSAIDが有効な可能性が示唆されているが、直接比較試験はなく、相対的な有効性や安全性は不明だという。

ペムブロリズマブ、非小細胞肺がんの効能・効果を取得

 MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下MSD)は2016年12月19日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ点滴静注20mgおよび100mg[遺伝子組換え])について、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する効能・効果を追加する一部変更承認を取得したことを発表。ペムブロリズマブは、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者に対する1次および2次の両治療に使用できる抗PD-1抗体となる。

トラスツズマブとバイオシミラー、ERBB2陽性乳がん奏効率は同等/JAMA

 トラスツズマブのバイオシミラー(バイオ後続品)は、タキサン系薬剤の投与を受けているERBB2(HER2)陽性の転移性乳がん女性において、トラスツズマブと同等の奏効率をもたらすことが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のHope S Rugo氏らが行ったHeritage Studyで示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2016年12月1日号に掲載された。モノクローナル抗体などのバイオ医薬品は、多くのがんの治療選択肢であり、アウトカムを大きく改善するが、これらの薬剤への近接性が十分でない国も多いという。いくつかのバイオ医薬品の特許期間の満期がさし迫り、世界中の製薬企業や保健機関にとって、バイオシミラーの開発は高品質の代替薬へのアクセスを高めるものとして、優先度が高くなっている。

ペムブロリズマブ、肺がん1次治療でQOLを改善

 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は2016 年12 月7 日、PD-L1 高発現(PDL1発現陽性細胞の割合が50%以上:TPS≧50%)の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)と、現在の標準療法であるプラチナ製剤による化学療法を比較した第III相試験KEYNOTE-024の探索的解析で示された健康関連QOL(health-related quality of life: HR QOL)のデータを発表。

小さな腫瘍の過剰検出が甲状腺がん“流行”を創出/BMJ

 韓国で起きている甲状腺がんの “流行”は、スクリーニングで、2cm未満の小さな腫瘍の過剰検出の増大によるものであることが、韓国国立がんセンターのSohee Park氏らによる全国調査の結果、明らかにされた。近年、多くの国で、死亡率にほとんど影響しない甲状腺がんの有病率増大が報告されている。甲状腺がん有病率の増大は、主に、小さな高分化型甲状腺がんの検出によるもので、有病率増大は過剰診断によるものではないかとみなされている一方で、その考え方に納得せず異議を唱える声も少なくない。韓国では1999年に10万人当たり6.3だった甲状腺がんの有病率は、2009年には47.5と7倍超に増大し、世界で最も有病率の高い国となっている。BMJ誌2016年11月30日号掲載の報告。

トリプルネガティブ乳がんにエリブリンとペムブロリズマブの併用:サン・アントニオ乳癌シンポジウム

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、エリブリンメシル酸塩(製品名:ハラヴェン)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 米国とカナダ以外ではMSD)との併用療法による、転移性トリプルネガティブ乳がんを対象としたグローバル臨床第Ib/II相試験(218試験)の中間解析結果の成績を報告した。この報告は第39回サン・アントニオ乳癌シンポジウムにて発表されたもの。

オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCのPFSを有意に延長/NEJM

 オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は、EGFRチロシンキナーゼ(TKI)阻害薬による1次治療で病勢進行したEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者(中枢神経系転移例も含む)において、標準治療であるプラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法より臨床効果が有意に優れることが認められた。香港・Prince of Wales HospitalのTony S. Mok氏らが、国際非盲検無作為化第III相臨床試験(AURA3試験)の結果を報告した。オシメルチニブは、EGFR-TKI感受性およびT790M耐性変異を有するNSCLCに対する選択的EGFR-TKIで、プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法と比較したオシメルチニブの有効性は知られていなかった。NEJM誌オンライン版2016年12月6日号掲載の報告。