腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:367

KRAS変異型大腸がんリスクに食品中のアクリルアミドが関連

 炭水化物を多く含む材料を加熱調理した食品に含まれるアクリルアミドは、ヒトでの発がん性があると推定されている。これまで、アクリルアミド摂取量と大腸がんリスクとの間に明確な関連性を示す疫学的研究はないが、その理由として大腸がんにおける分子生物学的不均一性が考慮されていなかった可能性がある。アクリルアミド代謝物であるグリシドアミドは、げっ歯類において特定のDNA変異を誘導することから、オランダ・マーストリヒト大学のJanneke GF Hogervorst氏らは、アクリルアミドが、大腸がんの発がんkey遺伝子であるKRASおよびAPCの変異による大腸がんリスクと関連しているかどうかを検討した。Carcinogenesis誌オンライン版2014年1月7日号に掲載。

イマチニブを中止した慢性骨髄性白血病、投与再開の基準は?

 分子遺伝学的完全寛解(CMR)に到達した慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者の半数以上で、イマチニブ中止後に分子遺伝学的再発を認める。仏ベルサイユ大学のPhilippe Rousselot氏らは、治療再開の判断基準として分子遺伝学的major寛解(MMR)の喪失を検討した。その結果から、CMR期間の長いCML患者においてMMR喪失が治療再開の実用的かつ安全な基準であると報告した。Journal of clinical oncology誌オンライン版2013年12月30日号に掲載。

糖尿病は前立腺がんの死亡リスクを2割以上増加させる

 2型糖尿病が前立腺がんによる死亡と全死因死亡のリスク増加に関連していることが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のLeah Bensimon氏らの大規模コホート研究で示唆された。著者らは、さらに「高インスリン血症などの糖尿病関連の代謝障害が、がんの悪性度と関連しているかもしれない」としている。Cancer causes & control誌オンライン版2014年1月3日号に掲載。

C型肝炎に対するIFN療法著効後に肝細胞がんを発症する患者の特徴とは

 インターフェロン(IFN)療法によりSVR(持続性ウイルス学的著効)を達成したC型慢性肝炎患者において、血清アルブミン低値およびαフェトプロテイン(AFP)高値は、5年以内の肝細胞がん(HCC)発症の独立因子であることが、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の佐藤 明氏らによる研究で明らかになった。著者らは「IFN療法後のHCC発症を早期に予防するために、これらの値について慎重な評価が必要である」としたうえで、「IFN治療後 10年以内のHCC発症は珍しいことではなく、リスク因子はいまだ不確定であるため、SVR達成後も長期的なフォローアップとHCCの検査を行うべきである」と述べている。Internal medicine誌2013年52巻24号の報告。

アロマターゼ阻害薬、高リスクの閉経後女性の乳がんを予防/Lancet

 乳がんのリスクが高いと判定された閉経後の女性では、アロマターゼ阻害薬(AI)アナストロゾール(商品名:アリミデックスほか)の予防投与により、乳がんの発症が大幅に抑制され、有害事象の発現も十分に許容できるものであることが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のJack Cuzick氏らが実施したIBIS-II試験で示された。乳がんは女性のがんの中で最も頻度が高く、2008年には世界で約1,400万人の女性が新たに乳がんと診断されている。AIは、閉経後女性において乳がんの再発および対側乳房の新規腫瘍の発生を予防することが報告されている。本報告は、サンアントニオ乳がんシンポジウム(12月10~14日、米国、サンアントニオ市)で発表され、Lancet誌オンライン版2013年12月12日号に掲載された。

前立腺がんへのアンドロゲン除去療法での副作用、運動で改善できるか

 前立腺がんへのアンドロゲン除去療法は広く施行されているが、その有害事象により健康やQOLが損なわれることがある。これらの治療関連有害事象を改善するための方法として運動が提案されている。オーストラリア・ディーキン大学のJason R. Gardner氏らは、アンドロゲン除去療法を受けている前立腺がん患者の治療関連有害事象に対する運動の効果に関する論文の系統的レビューを行った。その結果、アンドロゲン除去療法を受けた前立腺がん患者において、適切に処方された運動は安全であり、治療誘発性の有害事象を改善する可能性があることが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月16日号に掲載。