腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:380

ER陽性乳がんへのタモキシフェン10年延長投与、再発・死亡リスクをさらに低下/Lancet

 エストロゲン受容体(ER)陽性乳がん患者に対するタモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)補助療法について、10年間の長期投与が標準療法とされる5年投与と比べて、再発および死亡のリスクをさらに有意に低下することが、英国・オックスフォード大学のChristina Davies氏らによる「ATLAS試験」の結果、明らかにされた。これまでの検討で、診断後15年以内の同患者は、5年間のタモキシフェン補助療法によって、乳がん死のリスクが大幅に低下することが明らかになっていた。Lancet誌2013年3月9日号(オンライン版2012年12月5日号)掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(67)〕 低悪性度リンパ腫とマントル細胞リンパ腫の1次治療、B-RがR-CHOPよりも有用かつ安全

 1963年に旧東ドイツで開発されたベンダムスチン(B)は、プリンアナログ様骨格にアルキル基が結合したユニークな抗がん薬である。治癒が期待できる治療法が確立していない低悪性度(B細胞性)リンパ腫や、従来の化学療法では予後不良なマントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma:MCL)に対する高い有効性と低毒性が注目され、本邦では、2010年に再発・難治低悪性度リンパ腫と再発・難治MCLに対して承認された。

低悪性度非ホジキンリンパ腫の1次治療、B-RがR-CHOPよりも有用/Lancet

 ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(B-R)は、低悪性度非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の1次治療において、従来の標準治療であるシクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン(CHOP)+リツキシマブ(R-CHOP)併用療法よりも、有効性および安全性が優れることが、ドイツ・Justus Liebig大学病院のMathias J Rummel氏らStudy group indolent Lymphomas(StiL)の検討で示された。米国では、毎年、約6万6,000人が新規に非ホジキンリンパ腫と診断され、そのうち約40%が低悪性度リンパ腫、約3~10%がマントル細胞リンパ腫だという。現在、欧米における進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫および高齢マントル細胞リンパ腫の標準的な1次治療はリツキシマブと化学療法(ほとんどがCHOP)の併用療法だが、再発や難治性の病変にはB-R療法が有効なことが確認されている。Lancet誌オンライン版2013年2月20日号掲載の報告。

大腸3D-CT検査(CTC)vs. 内視鏡検査、CTCは内視鏡検査に代わりうる:SIGGAR/Lancet

 大腸がんの診断法として注目される大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、大腸内視鏡検査との比較が、英国・Imperial College LondonのWendy Atkin氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARにて行われた。大腸内視鏡検査は大腸がんが疑われる症例を検討する診断法としてはゴールドスタンダードとなっている。一方で、CTCは、代替となりうるより侵襲性の低い検査法であるが、検査後の診断確定のための追加の検査が必須となっている。しかしこのことが、CTCが内視鏡検査に代わりうる可能性を証明する重要な要素であるとして、実践されているCTC+追加検査と内視鏡単独検査の大腸がんまたは≧10mmポリープの診断精度について比較を行った。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。

紅茶・コーヒーの摂取量と前立腺がんリスクの関係

 近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

大腸3D-CT検査(CTC)vs. バリウム注腸、CTCのほうが感度が高い:SIGGAR/Lancet

 大腸がんの診断法としての大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、バリウム注腸造影検査よりも、がん病変や≧10mmポリープの検出能が有意に高いことが、英国・University College LondonのSteve Halligan氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARの結果、報告された。バリウム注腸は大腸がんの診断で広く用いられているが、診断精度や被検者の受容性に対する懸念が示されている。CTCはバリウム注腸と比べると新しい大腸X線検査法で、検出能の感度が高いと考えられ、患者も好むことが試験によって示されているが、これまでCTCをバリウム注腸に代わる診断法とすべきかについて保健政策に反映するような無作為化試験は行われていなかったという。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。